Blessed ―祝福―
Blessed-
日本/2001/日本語/カラー/ビデオ/78分
監督・撮影・編集・録音:崟利子
脚本・ナレーター:高橋章代
製作:藤岡朝子
製作・提供:Scarlet
〒165-0031 東京都中野区上鷺宮1-18-10
Fax: 03-3998-7250
E-mail: scarlet@zae.att.ne.jp
作者の崟利子が子ども時代に10年間を過ごした大阪の下町、西天下茶屋の路地。ふらりと30年ぶりに訪れた思い出の木造アパートには70歳をすぎたふたりの女性が当時のまま住んでいた。利子は動揺しながらビデオをまわす…。
利子を想うサクラは、ストリップ劇場の舞台に立つダンサー。西天下茶屋の劇場で公演の合間に、アパートを訪ねてみた。ところが誰もおらず、建物は荒れ果てている。ふたりは…?――利子とサクラの絡み合う感情、老いた女たちの歴史、消え行く路地の風景、街のネオン、新幹線…。つきせぬ想いのつまった私的世界。
【監督のことば】『Blessed ―祝福―』は、前作『西天下茶屋・おおいし荘』のふたりを、再び4年後に訪れた〈ある日〉から始まった映画です。
当初は、その日いちにちの「かなわぬ思い」をかたちにしようと考えていたのですが、その後映像を重ね愛が連なっていくうちに、いちにちだけの切ない思いであったはずのものが、時をとり戻し広がりを持ち、大きく、映画そのものをも変えてしまいました。それは“祝福”という題名に見守られながら、映画が出来上がっていく「不思議」を見る毎日でもありました。
また私は、見ることは匂いや肌の感触と同じく、個人的な感覚(体験)の領域であると思っています。この映画を観る人の気持ちが登場人物の表層の姿でとどまらず、映画を突き抜けて、また観る人の心に戻っていけば良いとも思っています。
私自身、映像の中に、まだ見ぬ自分を見つけることが多々あるからです。
崟利子
1952年大阪生まれ。1990年に福田克彦監督の『くらしが見えるまち東久留米』に助監督として参加。東京レズビアン&ゲイ・フィルム・フェスティバル(1992, 93 年)のディレクターを務める。以後、雑誌等に映画・音楽評を執筆、自主映画の撮影を経て、初の監督作品である『オード I 』、『西天下茶屋・おおいし荘』(1998)は1999年本映画祭、日本パノラマにて上映された。 |
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