居留―南の女
Koryu: Southern Women, South Korea-
韓国/2001/韓国語、英語/カラー/ビデオ/75分
監督:ソハ
撮影:パク・キウン
編集:ソ・ヨンソク
録音:カン・ボンソン
音楽:チャン・ジェホ、イ・ユンギョン
製作:シン・ヘウン
アソシエート・プロデューサー:ビョン・ヨンジュ
製作会社:ドキュ・ファクトリー・ヴィスタ
協力:韓国フィルム・コミッション(フィルム・プロモーション基金2000)
提供・配給:ミロビジョン
Mirovision Inc.
7Fl.45-18 Youido-dong, Youngdeungpo-gu, Seoul 150-010 KOREA
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「居留」の、つまり仮住まい的に暮らす、年齢も経歴もさまざまな女性たちに関する重層的で複雑な映画。夫が北朝鮮に亡命したため、南海の見知らぬ町に移り住んだ、文才のあった監督自身の祖母や、韓国で小さな食堂を経営する中年の中国人女性、そして映画監督になるのを夢見る若い女性など。短いインタビューを折りこんだ長くすばらしい移動撮影の映像は、儒教的父権制度の圧迫の中で、女性たちが自ら作り出してきた空間や通路をたどる旅を表現しているのだろうか。フェミニスト批評家、ソハは、10年に及ぶ研究者生活を経て映画製作に再帰した。
【監督のことば】『居留―南の女』は3部構成になっており、しばしば突然雨が降り、霧に覆われる風景が長回しで移動撮影され、また刺しゅうの装飾品と古い家具で散らかっている家の中が写される。本作について私が関心を持っているのは、韓国南部の三世代の女性たちが、どのように「居留」的生き方でその時間や場所を、そして文化の中で過ごしているのか、知ることである。「居留」とは、見知らぬ土地で一時的に住む、という意味である。さらにこの作品では、前近代と近代の女性たちが、様々な形で、自分たちについて明瞭に表現する、その方法を調べる。例えば、慶尚南道の女性は、両親が亡くなった場合、韓国語で告別の言葉を作成し、読むことを許される。漢字は男性だけに許されるものだが、こうした弔辞の女性的な形態は、「オンムン・チェムン」と呼ばれている。「オンムン」とは、漢字での書かれた文章(チェムン)とは対照的に、韓国語の文章を貶めた呼び名である。これは近代以前の李朝においては、女性が儒教文化において、非常に洗練された言語による成果を残すという、まれに見る顕著な例だった。本作ではダイレクト・ドキュメンタリーのスタイルは避け、記号論を安定した動画像へと移し替えるよう試みている。
ソハ
1961年生まれ。韓国芸術綜合大学の映画学部、教授。フェミニストの観点からの映画評論も行っている。『Winter Illusion』(1985)は1996年NYCアジアン・アメリカン国際映画祭のオープニングに選ばれ、またシカゴとバンクーバーで上映された。『Little Timemaker』(1985)は1997年のNYCアジアン・アメリカン国際映画祭にて上映された。他の作品に『I, Text』(1986)、『Blue Requiem』(1987)と『Even Little Grass Has Its Own Name』(1991)がある。 |
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