この冬
This Winter今年冬天
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中国/2001/中国語/カラー/ビデオ/90分
監督・撮影:仲華(チョン・ホァ)
編集・録音:向純(シァン・チュン)
提供:仲華(チョン・ホァ)
Zhong Hua
Xicheng District Changqiao Dingfu Street 3#, Qing Wang Fu, Beijing 100009 CHINA
Phone: 86-13910009138
E-mail: zhonghua_spring@hotmail.com
大使館警備の任務を負う北京某武装警察部隊で、4人の兵士が任期満了で除隊する。20歳から25歳という若い彼らは、部隊の映画部で映写を担当していた。最後の野外映写のあと、各人それぞれの方法で部隊を去る儀式を行う。任勇は天安門に行って献血を、方磊は童貞を捨てる決心をし、思いを遂げる。柔権はかつて勤務していた場所で最後の歩哨に就き、柴鳳才は退役兵座談会で歌を歌う。
そして4人は部隊をあとにし、3人はそれぞれ別の方向に向かう列車に乗り故郷へと帰ってゆく。任勇ひとりは、恋人と仕事のため、9年間いても見慣れぬこの街に残る。
【監督のことば】北京電影学院で学んだことのある全ての人と同様、学生だったころの僕は自分で映画を撮ることを切望していた。しかし、数年間テレビのドキュメンタリーを撮るうちに、自分の映画を撮ることが僕の唯一の心の支えとなろうとは、思いもよらなかった。なぜなら、率直に言うと僕はテレビが好きではないから。ただ、テレビ番組を作るのに苦しんでいたその中で、映画にこそ僕の存在価値があること、自分の生命は映画を撮ることで燃焼させるべきだと気づくことができた。
長編第1作のこの映画は僕が一番よく知っている生活から始めることにした。だから、この作品はある意味で半自伝的な性質を帯びている――僕はかつて武装警察部隊の歩哨と映画の映写技師をしていた。
いかなる国であっても、軍隊というものは戦争の機械であって、兵士は皆その機械の部品ということになる。兵士の生活と普通の人の生活とには隔たりがあり、また、こうした隔絶は人間性そのものの隔絶をもつくり出してしまう。だが、ひとりの若者としては、部隊を離れる前後を通じて、その人自身は継続した同一の人間であるわけだ。人は人生において絶えず別れを経験してゆくが、軍人の別れはその他の状況における別れに比べて、その隔絶と連続をもっと端的に浮き上がらせる。
かつて身を置いていたその中で、別れというものがひとりの青年の人生にもたらす意義を実際に感じ、断絶と連続が真に存在することを知り得た。僕はそれを表現したと思った。完全にリアルに表現したいと思った。そして、この映画になった。
仲華(チョン・ホァ)
1973年、中国の江蘇省楊州に生まれる。1991年、北京の武装警察部隊に入り、映写技師としても働いていた。1995年より北京電影学院の映画撮影学部で学ぶ。1998年初めての短編ドキュメンタリー作品『Temptation』を製作する。その他『警察故事』(1999)、『老头人』(1999)を製作。現在『回家』を製作中。 |
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