ミュージシャン
The Musicians-
アルメニア、ドイツ、オランダ/2000/アルメニア語/カラー/ビデオ/76分
監督・脚本・編集・ナレーター・製作:ドン・アスカリアン
撮影:アルタク・マルカリャン
録音:ヴァルタン・ババヤン
音楽:アルメニア民謡
製作会社・提供:ドン・フィルム・プロダクション
Don Film Production
Aigedzorstr. 69a, apt. 9, Yerevan ARMENIA
Phone & Fax: 374-1-227075
E-mail: donaskarian@yahoo.com URL: www.welcome.to/DonAskarian/
アルメニアの首都イェレヴァンの路上で民族音楽のミュージシャンが小金を稼ぐ。ホル・ヴィラプの古い修道院の前で綱渡り芸人が技を披露する。若いアルメニア人たちはトランスやハード・コアなどを聞きながら踊り狂う。聴衆の有無に関わらず、音楽は鳴り響きつづける。地下道、中庭、ディスコ、墓地、石造りの古い建物の階段吹きぬけで…。監督はじっくり音楽を堪能させてくれるが、この作品は演奏の映像記録ではない。道行く人々の動く足、光と風のダンス、千鳥足のブラスバンド、黒塗りに乗ったスーツ姿の不吉な男など、どのシーンにもドラマと即興が隠されていて、アルメニアの精神についての何かを感じ取れるのである。
【監督のことば】帝国の崩壊後に到来するのはなにか? ――それは誰にとっても周知の事実。だがひとつだけ予測のつかないことがある。それは、破壊と離散と屈辱、戦争による社会的混乱と貧困にも関わらず、裏切りや生活の基盤全ての全面的破壊にも関わらず、音楽は鳴り響きつづけるということだ。そしてあの響きかた! 高く、高く、人間の苦難と悲哀を越えて! 音楽は毎日の生活において経験されてゆく精神のかたちであり、自ら立ち上がり、運動し、見棄てられた者たちや最後の希望さえも失ってしまった者たちの中に希望を揺り起こす。この映画は太鼓奏者について語る。手が切断されても太鼓をたたくことのできる彼らの姿というのは…つまり…水上歩行がたやすいなどと言う者は宙を歩く彼のマネをしてみたまえ。
ドン・アスカリアン
アゼルバイジャン、ナゴルノ-カラバフ共和国の首都ステパナケルト(現在ハンケンディ)で1949年に生まれる。1967年にモスクワに行き、歴史学と美術を学ぶ。学業修了後、1年間助監督と映画評論の仕事に就く。1978年、ソ連邦から西ベルリンに移住。過去20年間にわたりドイツで製作活動を行う。国際映画祭にて数々の賞を受賞。恐らくドイツ、日本、オランダ、英国において商業的に配給され、かつ興行的に成功を収め得る「純粋なアルメニア」映画を撮る唯一の監督。写真活動も国際的認知を受けている。これまでの劇場公開作品には、『The Bear』(1984)、『コミタス』(1988)、『アヴェティック』(1992)、『Parajanov』(1998)、『On the Old Roman Road』(2001)などがある。現在、長編映画『San-Lazzaro』と『Noraduz』を撮影中。 |
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