線路沿い
Along the Railway鉄路沿線
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中国/2000/中国語/カラー/ビデオ/125分
監督:杜海濱(ドゥ・ハイビン)
技術:舒友英(シュウ・ヨウイン)、史寧(シィ・ニン)
提供:杜海濱(ドゥ・ハイビン)
Du Haibin
Room 203, Building No. 35, Dong Santiao, Outside You An Men
Fengtai District, Beijing CHINA
Phone: 86-13801110160, 86-10-62005554
E-mail:bin25221@sina.com, yakuki@163.com
宝鶏は中国南北を走る鉄道路線の要で、昔から南西の成都や北西の西寧から放浪者たちが集まってくるところだった。北京電影学院で学ぶ監督が、幼少期を過ごしたこの地に劇映画のロケハンで訪れた時、偶然ホームレスの少年一団に出遭った。それぞれの理由から農村や少年院を飛び出し、流れ者となった彼らは線路沿いの林や岩かげを住み処に暮らしていた。ゴミや空きビンを拾って売っては少しの食べ物を口にし、ブレイクダンサーや屋台の主人を夢見る。警察から逃げ回り、村の親を想って涙を流し、髪をムースで固めて粋がる。
【監督のことば】今の中国には、どの大都市にもホームレスの少年たちの姿がある。私はそんな彼らを知ろうと、話しかけては拒絶される経験を繰り返してきた。なぜ今回に限って、たやすく彼らに近づけたのだろう。今思えば、かつての私は自分たちの世界に彼らを引き込もうとしていたが、今回は私が彼らの世界に入っていったので、さほど警戒感を抱かれずに済んだのだろう。
だからと言って、私が彼らと本当の「仲間」になれたわけではない。旧正月の夜、彼らは小枝とビニールをくべた火を囲んで歌いだす。「俺たちはさすらい人、長年の路上暮らし…」。ちょうどその時、背後を列車が走り抜ける。車窓からもれる明かりが帰郷への夢を誘いながら。…あたかも彼らは、そんな列車から振り落とされたきり、もう二度と列車には戻れない人のようだ。私はその姿を覗き見、カメラで記録したに過ぎない。私が感じた割り切れなさを、ただそのまま差し出すために。
杜海濱(ドゥ・ハイビン)
1972年、西安生まれ。本作の撮影地である陜西省宝鶏で中学・高校時代を過ごす。2000年北京電影学院卒業。作品暦は短編『午餐』(1998)に始まり、1999年にはビデオ・ドキュメンタリー『竇豆』を作る。2001年には『高楼下面』が完成。 |
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