村の新しい一歩
Doomealee, the Very First StepShijakhaneun Soongan
韓国/2000/韓国語/カラー/35mm（撮影：DV）/80分
監督・脚本：ホン・ヒョンスク
撮影：コン・ミヨン 編集・録音：イ・マリオ
音楽：シン・ドンイル ナレーター：パン・ウンジン
製作：カン・ソクピル
協力（キネコ）：韓国フィルム・コミッション
製作会社・提供：ソウル・ヴィジュアル・コレクティヴ
Seoul Visual Collective
5th fl. 140-57 Kyedong Chongro-gu Seoul KOREA
Phone:82-2-745-4641 Fax: 82-2-3672-4970
E-mail: lookdocu33@hotmail.com
1995年作品『村の新しい学校』の続編となる本編で、監督のアプローチはここ5年あまりの韓国社会の変化を物語っている。ほとんどの村人が農業を営むドゥーミーリー村が全国ニュースになったのは、地元小学校の閉鎖に大々的に反対運動を起した1994年のことだった。子どもたちが遠くへ通学しなくてもいいよう、地元に学校を残し授業を続けたい、と村人は政府に要請した。憲法裁判所が要請を棄却したあと、運動は沈静化したように見えた。この映画で、監督の視点は運動家の政治的要求を描くことから、村の生活の豊かさと自然の美しさへと移り、脱都会、脱消費社会的なライフスタイルの提案を支持している。
【監督のことば】人は人生の中で何度か分岐点に遭遇し、否応なく選択を迫られることがあるでしょう。
負けると分かっているやり方をあえて選択した人たちがいます。あなたはどう思われますか。6年前、ドゥーミーリー村の人たちがそうでした。彼らが学校を救うために立ち上がるまで、小さな学校約1,300校が何の抵抗もなく閉鎖されていきました。それは政府というとてつもなく巨大な存在を相手の、ほとんど勝ち目のない闘いでした。それは彼らにもわかっていました。それでも、最初の一歩こそが重要だという信念を持ち、敗れても意気消沈することは決してありませんでした。彼らの表情は情熱と誇りで輝いていました。この輝きが永遠たらんことを！
しかし、この輝きは段々失われていきました。かつて彼らに声援を送った人々は離れていきました。代わりに、都会人向けの高級別荘が村のあちこちに建てられました。学校への関心は弱まり、同時に村人の間の結束も弱まっていきました。時が経つにつれ、ひとつの思いが私の心を駆け巡りました。「普通の農民をこんな激しい闘いに駆り立てたのは何だったのだろう？」
私が今、村を訪れても、かつて学校が建っていた場所へ足を向けることはありません。代わりに、村の息吹に耳を傾け、においを感じることにしています。そうすることが、自分の疑問に対する答えを見つける助けにもなります。そして、私の作品が、長い目で見れば、村人が輝きを取り戻す助けになると信じています。
ホン・ヒョンスク
1962年生まれ。1986年に梨花女子大学を卒業。『Battle Columns』（1991）、『'92 Rio Global Forum』、『54 Days: Record of a Summer』（1993）などを発表。1997年にソウル・ヴィジュアル・コレクティヴ理事長を、1999年には韓国インディペンデントフィルム＆ビデオ協会の理事を務める。『村の新しい学校』（1995）は、1995年の本映画祭「アジア百花繚乱」にて上映。その他に『Reclaiming Our Name』（1998）や『Border City』（2000）などがある。 |
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