「流離島影」シリーズ
"Floating Islands" Series-
製作:周美玲(チョウ・メイリン)
提供:蛍火蟲映像体
Firefly Image Company
7F, No.8, Lane 63, Sung-chiag Road, Taipei TAIWAN
Phone: 886-2-2507-6498 Fax: 886-2-2506-0373 E-mail: firefly@ms3.hinet.net
1999年初頭、インディペンデント映画の製作会社「蛍火蟲映像体」は、12人の若い台湾人映像作家たちに台湾沖の離島に旅して、各々の離島についてドキュメンタリーを作らないかと持ちかけた。限られた予算ながら、自由に革新的な作品づくりをそれぞれが任される企画だった。1年の後、12本の映画が完成した。政治、社会、経済、環境、軍事、美学、そして個人的な問題にまで踏み込むなど多様な主題とアプローチが、ときにはユーモアたっぷりに勢ぞろいした。本映画祭では、全12本のうち5本を紹介する。お楽しみください。
03:04
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台湾/2000/ダイアローグなし/カラー/35mm/16分
監督:黄庭輔(ホァン・ティンフ)
撮影:陳麗玉(チェン・リーユー)、黄庭輔
音楽:ディノ
製作:陳麗玉
スヌーカーボールがぶつかりあう音、テレビ番組のちらつき、インスタントラーメンのどんぶりからほのかにあがる湯気、100ドルのテレホンカードからの甘い言葉。年寄りたちは立派な棺おけを待っている、子供たちは島を去る日を待っている、軍人たちはまんじゅうを数え、除隊の日を待っている。老兵の退役軍人たちは、酒を買うための次の小切手を待っている、小犬はドアの外でうろうろして、おばあちゃんの優しい顔を見るのを待っている、女性上司は株価が上がるのを待っている、教師たちは退職金を待っている…。木々は風を待ち、風は岩を待ち、岩は人が戻ってくるのを待つ、そして私は映画が終わるのを待っている。
黄庭輔(ホァン・ティンフ)
1961年生まれ。1989年に国立台湾藝術學院を卒業。『鏡子』(1989)で金穂賞を受賞。その他の作品に『515檔案』(1988)、『碗』(1990)、『結婚照』(1992)、『台湾魔朶』(2000)などがある。 |
南之島、男之島
The Paradise Island Tong-Sha, an Isle like a Crab南之島之男之島
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台湾/2000/北京語、台湾語/カラー、モノクロ/35mm/17分
監督:李孟哲(リー・モンジャー)
見たり、聞いたり、理解することに関してある一定の方法に慣れてしまった我々は、判断が傲漫になってしまいがちだ。映像作家として私は、撮影し始めた頃に同じような過ちをおかした。国防省が製作した教育娯楽番組によく似た7分間のオープニングのように、この映画はよそよそしい親しみの感覚を与える。ある兵士が書いた言葉を通してのみ、この孤島はより輝きを増し、色彩豊かになる。風と時間によって炭化堆積物へと化していく、貝殻でできた東沙島は、大多数の男性がいわばとらわれている島である。それは誰もが行きたがらない島、しかし放棄してしまうにはあまりに残念だと思われる島である。
李孟哲(リー・モンジャー)
1967年、台湾雲林生まれ。輔仁大学にてマスコミュニケーションを学ぶ。その他の作品に『我們的外婆家和外婆』(1989)、『朱教授老檔的暑僻作業』(1992)、『青松小侠的婚姻廣場』(1994)などがある。 |
西の島
West Island西嶼坪
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台湾/2000/北京語、台湾語/カラー/35mm/35分
監督:朱賢哲(チュ・シエンジェ)
澎湖島は60の小さな島々で成り立っている。その中の1島は、たった1平方マイルで、12人あまりの人たちが住んでいる。人口の多くがそこから離れたのは偶然だろうか。西嶼坪には、今は4世帯が住み、その中の2世帯は障害を持つ老人たちのひとり暮らしで、他2世帯には、病に伏す家族がいる。島民たちを保護するための4人の警察官たちは、訴訟に巻き込まれたり罰を受けさせられている左遷組。この島同様忘れられている人々だ。それでも、自然と調和の中で暮らし、彼らにとっては十分幸せである。
朱賢哲(チュ・シエンジェ)
1964年、台湾の台中に生まれる。1994年シラキュース大学から芸術学の修士号(MFA)を取得。ドキュメンタリー映画やテレビCMの監督をしている。その他の作品に『芸術家的電影』(1994)、『性福年代』(1998)などがある。 |
専売特許・釣魚島
Who Is Fishing(R)誰來釣魚(R)
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台湾/2000/北京語、台湾語/カラー/35mm/16分
監督:陳芯宜(チェン・シンギ)
古代の人々はこの島に面白い、のんきな名前をつけた。しかし、その島が象徴する意味はもはや単純なものではない。近代化は複雑な事態をもたらし、現在の諸問題を顕わした。人と土地の関係は変わった。――共存関係から所有権を誇示・要求する関係へ、より大きな共通目的を見失う関係へ。これこそが釣魚台(尖閣諸島)の問題である。もはや“誰がこの島の所有を立証出来るのか”ということで解決できない。“愛国心”という目かくしを捨て、「ヒューマン・ニーズ」対「自然」、「自己」対「国」、「国」対「故郷」の意味と重要性を人々が再考できる時点から始めることを、この映画は望む。
陳芯宜(チェン・シンギ)
1974年台湾の台北生まれ。輔仁大学のマスコミュニケーション部を卒業。1997年より劇映画とドキュメンタリー映画両方製作している。監督作品『我叫阿銘啦』(2000)は数々の国際映画祭で賞を受賞している。 |
サイレント・デルタ
Silent Delta噤聲三角
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台湾/2000/ダイアローグなし/カラー、モノクロ/35mm/20分
監督・脚本・編集:沈可尚(シェン・コシャン)
撮影:馮信華(フォン・シンホァ)
編集・製作:呉素麗(ウー・スーリー)
録音・音楽:頼晉楷(ライ・チンカイ)
島は何を考え、地は何を伝えようとしているのだろう。静寂だけが押し寄せてくる。3つの島の魂は過去へ思いを募らせているが、結局はこの辺で永遠に閉ざされてしまった。本作は論争の伏線であり、3島の静かなぶつかりの寓話となる。映像を通して断言されていることはあるが、結論は導かない。ここにあるのは静かな黙想ばかりである。しかしこれは静かにじっと見つめるだけで、何の結論も出ない、想像上の話なのである。
沈可尚(シェン・コシャン)
1972年台北に生まれる。国立台湾藝術學院で学ぶ。彼のアニメーション作品『Too Beautiful』は金穂賞のアニメーション部門の最優秀賞をはじめ数々の賞を受賞。その他の作品に、『One Table Away』(1996)、『遊向大海的淡水魚』(1998)、『輿山』(1999)などがある。 |
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