水と消えゆく
Vanished with WaterSuyla Yiten
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トルコ/2000/トルコ語/カラー/ビデオ/23分
監督:ドアン・ウミット・カラジャ、ナムク・ウウル、オズギュル・アルク、オズギュル・ポラット、オヌル・エルデム、オズギュル・チャム
製作・提供:アンカラ大学コミュニケーション学部
Ankara University Faculty of Communications
Cemal Gursel Cad. 06590 Cebeci, Ankara TURKEY
Phone: 90-312-319-7714 Fax: 90-312-362-2717
E-mail: ozkam@media.ankara.edu.tr
今年の映画祭にアンカラ大学から4本の学生作品が応募された。テーマは「クルド人集落で従来重要な役割を果たしてきた語り部の老人と現代の文字・映像文化の波」、「ギリシャ・トルコの国境にまたがって住むキプロス島のマロン教徒の世代交代」、「英語教師としてトルコ南東部の古い町へ来たオーストラリア人女性と家族の異文化体験」、そして本作「ダム建設で立ち退かされる川沿いの村人たち」。共通して見られるのは、トルコとひと言で言っても広い地域に住む多様な文化の姿、そして時代とともに移り変わって行く伝統である。ていねいな映像の採集、入念な事前調査、ナレーションを使わない展開が特徴的な作品群だが、今回は1本だけ紹介する。
【監督のことば】我々のドキュメンタリーは、ハルフェティという、トルコ南東部の歴史的な街を撮ったものである。その街が、ビレジック・ダム建設のため、水の底に沈もうとしている。ハルフェティの人々は、家や人生、歴史、そして思い出を水の底に残し、新しい街へ移ろうとしている。新しい街は昔の街と違って、ユーフラテス川から離れている。この悲しい物語を、ハルフェティの老人たちが我々に語っていく。
『水と消えゆく』は、学生によるドキュメンタリービデオである。このビデオを製作するにあたり、我々がまず心がけたことは、「トーキング・ヘッド」式のインタビューだけではなく、「視覚言語」や「視覚コード」を用いてメッセージを伝えることである。ハルフェティの街には人間と自然のバランスが存在していたが、ダムがそれを破壊した。この状況は、街の人々の表情やふるまい、そして、言葉から明らかである。ダムが完成した後、ハルフェティの人々は、水に囲まれた石の上で死を待つアリのように、ただ立ち尽くすだけである。
ドアン・ウミット・カラジャ ナムク・ウウル オズギュル・アルク オズギュル・ポラット オヌル・エルデム オズギュル・チャム 6人の監督は全員がアンカラ大学コミュニケーション学部の学生。『Letter from Halfeti』、『Ribat』、『God Bless Our Home』を含む短編ビデオドキュメンタリーのプロジェクトでも、彼らは共同で製作を行なった。カラジャは1977年、トルコのリゼ生まれ。95年に大学入学、ラジオ、テレビ、映画を専攻。2000年6月に大学卒業。現在、フリーの助監督として映画・広告業に係わる。ウウルは1976年、トルコのディヤルバクル生まれ。アルクは1976年、エスキシェヒール生まれ。エルデムは1979年、トラブゾン生まれ。その3名は現在もアンカラ大学のラジオ・テレビ・映画コースに在籍し、ドキュメンタリー及び短編映画の製作を学んでいる。ポラットは1979年、アンカラ生まれ。チャムは1977年、マラテゥヤ生まれ。共にアンカラ大学ジャーナリズムコースに在籍し、また、ドキュメンタリー及び短編映画の製作を続けている。 |
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