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I Love (080)
I Love (080)
台湾/1999/中国語/カラー/ビデオ/58分

監督・脚本・撮影・編集・録音:楊力州(ヤン・リージョウ)
音楽:温子捷(ウェン・ズージエ)
製作:朱詩倩(ジュ・シーチェン)
製作会社・提供:後場音像紀録
(Backstage Studio)
No.7, Lane 142, Kuo-kuang St., Chung-ho, Taipei TAIWAN
Phone: 886-2-2952-4840
Fax: 886-2-2962-1955
E-mail: n1210020@ms17.hinet.net

 
楊力州(ヤン・リージョウ)
Yang Li-zhou


1969年生まれ。インディペンデント・フィルムメーカー。台湾国立台南藝術學院音像紀録研究所卒業。監督作に、台湾第21回金穂奨ドキュメンタリー部門でグランプリを受賞、第1回台湾国際ドキュメンタリー映画祭で上映された『打火兄弟』(1997)、1998台北電影奨非商業部門で台北特別 奨を受賞、サンフランシスコ・アジア・アメリカ映画祭で上映された『畢業紀念冊』(1998)がある。

台湾の全ての男性に課せられる兵役義務。除隊してからオーストラリアの美術大学に行こうと夢見る若者がひとり、軍隊組織のなかの腐敗、言葉の暴力、上司の偽善に徐々に精神的につぶされていく。監督は、かつての高校の教師。青年の言動をていねいに追うが、カメラの暴力を指摘され、うろたえる。タイトルにある(080)とは、台湾のフリーダイヤルの番号。兵隊にとっては、電話交換手の女の子とおしゃべりをするストレス解消の番号であり、軍隊の内部告発のホットラインでもある。


【監督のことば】

かつて李登輝総統がこう言った。「私は何でも管理できるが、軍隊だけはうまくいかない。」
軍隊内で多くの不当な致死事件が起きている時、国防大臣の蒋仲苓はこう言う。「台湾中で人が死んだり事故に会うのに、軍隊で一人死ぬ と気になるのか?」
台湾では、全ての成年男子が2年間の兵役に服すよう憲法で定めている。しかし、暗くて閉鎖的な軍隊制度が、すべての息子たちの入隊を、彼らの母親にとって最大の心配事にしている。
国民政府が大陸から台湾に逃れて、すでに50年以上になるが、彼らは政権を維持するため、入隊服役規則と兵役を不可欠とする政府見解を作り上げ、毎年、二十数万もの若い命を「鋼製カップの取手は右向き、歯磨きは左向き」という場所に送り込む。
2年間の青春の歳月が、残り日数を数えることに費やされ、「残り0日」になってようやく本当の人生が始まるのだ。
この世代の若者の兵役生活を映画にしよう!撮って撮って、撮り続けるうち、私は突然、国防大臣、蒋仲苓の言葉を思い出した。「台湾中で人が死んだり事故に会うのに…」
思わず私は身震いする…。
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