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江湖
Jiang Hu: Life on the Road
江湖
中国/1999/中国語/カラー/ビデオ/150分

監督・脚本・編集・製作:呉文光(ウー・ウェンガン)
撮影:蘇明(スー・ミン)
録音:寧(リー・ニン)
製作・提供:呉文光紀録片工作室


呉文光(ウー・ウェンガン)
Wu Wenguang


1956年10月雲南省生まれ。74年に高校を卒業後、農村へ下放。そのうち3年間は下放先の農村で小学校教師をつとめる。78年に雲南大学中国文学部入学。82年卒業。その後中学校教師として3年間つとめ、昆明テレビ局に所属。ニュース記者として3年間働く。88年にテレビ局を辞め、インディペンデントのドキュメンタリーフィルムメーカー、フリーの著述家として活動する。主な作品に、『流浪北京:最後の夢想家たち』(90年、YIDFF '91アジアプログラムで上映)、『私の紅衛兵時代』(93年、YIDFF '93アジアプログラムで上映)、『四海我家』(95年、YIDFF '95 アジアプログラムで特別上映)がある。

'93年の小川紳介賞を受賞した呉文光の最新作。貧しい村を脱出したくて興行師へと転身した親子が村の若者を誘って移動ショーを営業する。一座はカラオケでポップスを聴かせ、若い女性のビキニショーを目玉 に郊外の町をまわるが、建国50周年の記念日を控え、当局は規制を厳しくしている。お客の入りは悪く、地元のヤクザには絡まれ、警察が賄賂をほのめかす。給料が数カ月も出ない険悪な雰囲気のなか、私生活も露な一つ屋根の下の生活が行き詰まっていく…。
【監督のことば】
“江湖”は、とても中国的な(翻訳の難しい)言葉の一つです。字面は「河」と「湖」ですが、それが暗に指しているのは、必ずしも地理的な概念ではありません。
たとえば、住みなれた土地を離れ、危険の多い、前途の知れない旅に出て「もう一つの人生」をさすらうこと、あるいは「家から路上に放り出された」状態などを意味します。
ですから、この映画に出てくる人々は、いわゆる「ジプシー式生活」はしていません。
そうではなく、やむを得ず、追われるように故郷を離れて路上の人となった後、いつかは大金を稼いで家に帰ろうと夢見る、ロマンティシズムなど無縁の暮しです。
10年前、私が初めて独立して撮影した記録映画は『流浪北京:最後の夢想家たち』でした。それは、地方の若い5人の芸術家が、北京に出て芸術の夢を追う物語です。
現在、私を惹きつけ、記録の対象になっているのは、一群の若い農民…故郷を離れ、小屋がけをして歌や踊りを見せながら、旅を続ける人々です。
なぜ、私は彼らに惹かれるのか、それは、私たちの運命もまた“路上”に投げ出されているからだと思います。
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