yidff1999小川プロワールドインターナショナル
yidff1999柳沢特集アジア千波万波日本パノラマヨリス・イベンス
yidff1999ビデオアクティビズム事例討議審査員transrate-English

beforenext
■妹へ
■ヘアーカット
■シーズン・オブ・ザ・ボーイズ
■綿打ち職人
■江湖
■よそに住んで
■老人
■1997年、僕は17歳になる
■98年的生活言語
■革命前のメモ
■秋のお話
■マーヤーのために
■友よ、いかに生き延びよう
■鉄の魔術
■クマール・トーキー
■外部の季節
■ジャカルタ・ストックショットNo.7
■カマスの人形
■絹
■テヘラン、25時
■わな
■放課後
■自転車
■あんにょんキムチ
■新しい神様
■姫ころがし
■北朝鮮の少年たち、中国へ逃れる
■天日干し赤唐辛子を作る
■3本足のカラス
■空っぽの家
■ジャイク
■人魚島の子ども
■二人の間で…ベイルート
■祈祷師
■テンション
■モーゼからの権利証書
■メイド・イン・フィリピン
■部族へ帰れ
■美麗少年
■労使間の滑稽な競争
■I Love (080)
■紅葉野球チーム
■ハイウェイで泳ぐ
■狩りに出る2人
■エキゾチック概論
■第三世界
■太陽はどこに?
■二つの岸の間で
 
秋のお話
An Autumn Fable
Duphang-Ni Solo
インド/1997/ボド語/カラー/35mm/45分

監督・脚本・ナレーター:ピンキー・B・チョウドリー
脚本・編集:ショービト・ジャイン
撮影:サミール・マハージャン
製作:ニーラジ・スージー
製作会社・提供:ラージェーンドラ・フィルムズ
(Rajindra Films)
C1 / 22, 1st Floor, Safdarjung Devp. Area, New Delhi 110016 INDIA
Phone: 91-11-6852546 / 6517129
Fax: 91-11-6868618
E-mail: nsuji@ndb.vsnl.n et.in


ピンキー・B・チョウドリー
Pinky Brahma Choudhury


インド映画テレビ学院(FTII)研究科課程修了。1992年から自主映画監督として活躍。学生時代の短編映画『Ether』(35ミリ)は多くの映画祭に出品された。インド東北部の政治、文化を紹介する旅行シリーズなども含む民族学的な映画をテレビのために制作している。最近では、インド独立から50年間のインド東北部の開発を批評したテレビシリーズがある。『秋のお話』は学生時代の『Ether』以来のフィルム作品。第30回インド国際映画祭(IFFI)のインド・パノラマ部門でオープニングを飾り、ムンバイ国際映画祭(MIFF)などにも出品
された。



12人分の力と食欲を誇るずるがしこい悪玉。幼年期に誘拐された王子が、獣に化けて王座への復権をねらう。剣術では誰にも負けない美しいお姫さま。―毎年秋になると、夜空の下でボド族の村びとは伝統に基づいた伝説神話を演じる。あでやかな音楽に合わせて、歌、踊り、立ち回りが披露される。武装抗争を暗示する緊張感あふれる昼間のシーンと合わせて、この土地の現実が浮かび上がる。

【監督のことば】

ボド族はインド東北部、アッサム地方の先住民族だ。他民族との言葉、文化の違いを主張し、政治的自治権を求めて独立闘争している。内部抗争や狭い政治取引に取り込まれ、運動は暴力をともない泥沼化した。コミュニティが崩壊していった。恐怖、不安、疑惑が人々を覆い、この地が沈黙に沈んだ。恐怖と不信から生まれた沈黙だ。人々は何もなかったかのようにふるまい、発言を止め、思い出を忘れようとしている。
強烈な静寂と並び、この土地の現実を語っているのは、壁のスローガン、武装した兵士たち、難民キャンプ、そして破壊された橋。破壊の爪痕の証言者となっている。一方、太古から伝わる大地のささやきは、物語や劇の形でかすかに息づいている。時代の流れに飲まれてしまったが、常に人々の生活言語の一部であった伝説。それら昔からの記憶が生きる活力をこの土地の人々に呼びおこすことを願いつつ、物語と現実を交差させながら現在の空虚さをあぶり出した。

  beforenext

COPYRIGHT:Yamagata International Documentary Film Festival Organizing Committee