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アジア千波万波
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    龍山(ヨンサン)

    Yongsan
    용산

    - 韓国/2010/韓国語/カラー/ Blu-ray(HD)/73分

    監督:ムン・ジョンヒョン 
    助監督:リュ・ハンジュ
    撮影:リュ・ハンジュ、ムン・ジョンヒョン
    編集:ユン・ジュノ、ムン・ジョンヒョン
    録音:ピョ・ヨンス、コ・ウナ 
    音楽:ユン・ソンヘ 
    製作:プルン・プロダクション
    www.cinemadal.com

    2009年1月、ソウル市の龍山地区再開発による強制立ち退きの最中、警察との衝突で起きた火事で5人が死亡した。この惨事が監督自身の1991年に目撃した焼身自殺の記憶、軍事政権下の民主化闘争、光州事件の犠牲者へと繋がる。多くの死によって築きあげられた民主主義社会、それでも死が消費される運動の歴史。彼らの存在証明を現代に追い求め、亡くなった者たちの記憶、遺族らの記憶から、時代の遺物となってしまった民衆の闘いの系譜をひも解く。



    - 【監督のことば】1980年、87年、91年、そして 2008年にソウルの街を占拠していたあの大勢の人々はいったいどこへ消えたのだろう? 歴史は進歩しないまま繰り返すかのようだ。そして2010年を生きている人々に、精神的、社会的進歩を求めて闘う気概があるようにはもはや思えない。なぜこうなってしまったのだ? この作品は、そういった問いに答えるための、私の個人的記憶についての物語であり、韓国社会の記憶や歴史についての物語でもある。本作では、80年の光州事件や、87年の6月民主抗争、それに李明博政権下で起きた龍山の惨事など、記憶に残る瞬間が個人の記憶としてきざまれる。なぜ私たちは(あるいは彼らは)政治権力や資本権力に対する闘いを止めたのだ? 世界を変えるのは不可能なのか? あるいは“運動”というものがもはや意味を持たなくなったのか? こういった問いに答えるために、私はカメラを回すのだ。


    - ムン・ジョンヒョン

    プルン・プロダクションのメンバー としてデビュー作『Going to Hometown』(2003)を撮り、 韓国のキリスト教的価値観に おける性差別問題を描いた『Zelophehad's Daughters』(2005)で注目を浴びる。『Grandmother's Flower』(2007)は釜山国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞を受賞、多くの映画祭で上映されている。