アジア千波万波 |
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アジア千波万波 特別招待作品 審査員 |
[マレーシア]
影のない世界
World without ShadowWayang Rindukan Bayang
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マレーシア/2011/マレー語/カラー/Blu-ray(SD)/90分
監督、脚本、編集:邱涌耀(クー・エンヨウ)
撮影:ジェフリー・ロー
音楽:Kumpulan、スリ・チャハヤ・カンポン・ラウ、スリ・チャンプラン、スリ・クバカッ
エグゼクティブ・プロデューサー:アミール・ムハマド
製作:ファフミ・ファジル
提供:ダ・フアン・ピクチャーズ
www.shop.dahuangpictures.com
マレーシア・クランタン州で、政治に翻弄され衰退の一途を辿る影絵のワヤン・クリ。13世紀からイスラム教と共存していたにも関わらず、近年は抑圧され上演回数は減り続ける。政治と芸術の狭間で、生活苦にあえぎながらも副業をして、影絵を作り上演を続ける人形遣いと演奏家たちを丹念に描く。この状況を風刺する現代劇と、影絵の物語を融合した本作の中でも、人形たちが重要な登場人物としての役割を担う。
【監督のことば】エンターテインメントやパフォーマンスの世界に長くいればいるほど、私はパフォーミングアーツを危機に追い込む政治の圧力を感じるようになっている。少しずつ、ゆっくりと、演技を通じた自己表現への私たち自身の渇望が奪われていくのだ。
邱涌耀(クー・エンヨウ) マレーシアのタイピン生まれ。エンジニアだったが、スチル写真への興味が高じてプロの映画編集者になった。編集者としての経験を活かし、2002年からは自分で作品を撮るようになり、インディペンデント映画の自由な形式やスタイルを指向する。短編作品『Railway Steps』(2002、マレーシア・ビデオ・アワード銅メダル受賞)、ドキュ・ドラマ『Ah Kew the Digger』(2004)、初長編フィクションの『鳥屋』(2006)などに共通して描かれるのは生活にひそむ意志の強さだ。現在はクアラルンプールを拠点に活動中。 |