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アジア千波万波
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  • [タイ]

    ブリーフ・ヒストリー・オブ・メモリー

    A Brief History of Memory

    - タイ/2010/タイ語/モノクロ/Blu-ray(SD)/14分

    監督、編集、提供:チュラヤーンノン・シリポン
    撮影:ウクリット・ポーンサンパンスック、チュラヤーンノン・シリポン
    製作:タイ王国文化省現代美術文化局

    バンコクで起きた暴動の犠牲者となった息子について語る母のモノローグが、事件を呼び覚ます。ナン・ルーン地区に住む母の言葉を全編に用いながら、タイの政治対立によって犠牲になった人々の生を顕微鏡で拡大されたシラミと重ね合わせ、すり抜けて行く記憶の背中を追いかける。日常に襲い来る喪失と悲しみ、心の奥底のざわめきが、アブストラクトな映像となってモノクロームの路地や生活空間に静かに響き渡る。



    - 【監督のことば】ナン・ルーン地区は、絶え間ない変化を生き残り、多くの記憶を刻み込んできた。ある世代から、次の世代へと語り継がれる記憶だ。この地を去る者たちから、残った者たちへと語り継がれる記憶。時代は変われど、記憶はあたりに色濃く立ちこめている。 外部の人間である私にとって、これらの記憶を映画にして世に伝えることは、時間の経過とともに消えないように、記憶の歴史の断片を捉えるような感覚だった。また、すでにこの世を去った人たちへの追悼でもある。


    - チュラヤーンノン・シリポン

    1986年生まれ。キングモンクット工科大学ラカバン校、建築学部コミュニケーションアート・デザイン学科卒業。専攻は映画・ビデオ。現在はタイのバンコクを拠点に活動している。2005年、『Hua-Lam-Pong』がロッテルダム国際映画祭のS.E.A. Eyesで上映され、2007年には『Sleeping Beauty』が同映画祭の「Short: As Long As It Takes」プログラムで上映された。本作は2011年のヒューマン・フレームズ(実験映画とビデオアートを通じて人間を考察する10編の映画から成るプログラムシリーズ)のファナティシズム編に選ばれた。