アジア千波万波 |
---|
アジア千波万波 特別招待作品 審査員 |
雨果(ユィグォ)の休暇
Yuguo and His Mother雨果的假期
-
中国/2011/中国語/カラー/Blu-ray(SD)/49分
監督:顧桃(グー・タオ)
撮影:顧桃、趙傑偉(チャオ・ジエウェイ)、宏雷(ホン・レイ)、 魏漢夫(ウェイ・ハンフー)
編集:周宇(ジョウ・ユー)、李博(リー・ボー)
エグゼクティブ・プロデューサー:張偉傑(チャン・ウェイジエ)
製作:韓蕾(ハン・レイ)
提供:顧桃
家族と遠く離れて生活する息子の雨果(ユィグォ)が、故郷の森に戻ってきた。内モンゴルの北東、敖魯古雅(オルグヤ)の森に積もった雪の中、全身全霊で愛情を表現するエヴェンキ族の母親。天真爛漫な彼女を小さな身体で受け止め、気遣う息子。森の生活に戸惑いながらも、家族と生活するつかの間のキラキラした時間を、監督は息子と関わりながら、静かに見守る。『オルグヤ、オルグヤ…』の続編とも言える中編。
【監督のことば】2005年、私はドキュメンタリー映画『オルグヤ、オルグヤ…』を撮影し始めた。それからの数年間、山のトナカイ使いの民との間に親しみの感情を育むと共に、また悲しみをおぼえていた。そして何かしらの形で彼らの助けになりたいと考えていた。柳霞(リュウ・シア)は2度も夫を喪い、唯一人の息子である雨果もまた政府の婦女連合会によって組織的に動員され、南方で寄宿しながら就学している。息子に会えず、毎日悲しみにくれる柳霞は、酒によって自らを麻痺させるのであった。そこで私は思いついた。この傷ついた母親を助けられる唯一の方法は息子に会わせてあげることなのだと。当初、私はエヴェンキ族の若い世代を撮ろうとは思ってもいなかった。ただ雨果が北方に、オルグヤに、近づくにつれ、彼の骨肉に刻まれた記憶が次第に蘇り、私もまた本能的にカメラを手に取ったにすぎなかった……。
顧桃(グー・タオ) 1970年、内モンゴル生まれ。内モンゴル芸術学院で油絵を、その後、北京美術学院で写真を学ぶ。2005年からドキュメンタリー映画の制作を始め、『オルグヤ、オルグヤ…』を2008年に完成させる。以降、何本かのドキュメンタリー映画を制作している。 |
オルグヤ、オルグヤ…
Aoluguya, Aoluguya . . .敖魯古雅…敖魯古雅
-
中国/2007/中国語/カラー/DVCAM/81分
監督、撮影:顧桃(グー・タオ)
編集:周宇(ジョウ・ユー)、黄眉(ホァン・メイ)、丁若水(ディン・ルオシュイ)
提供:中国インディペンデント映画祭 www.cifft.net
『雨果の休暇』の前作。内モンゴルの大興安嶺(ダーシンアンリン)の森にあるオルグヤに住むエヴェンキ族の一家。糧である狩猟を禁止され、山を下りての定住を余儀なくされている。それでも一年の多くを山の中のキャンプに出かけては、トナカイを育てながら生活している。息子、雨果がいない悲しみを酒で紛らわす母親とその弟、彼らを見守る首長のマリアなど個性豊かな登場人物が織りなすオルグヤの森の物語。2009年、東京で開催された中国インディペンデント映画祭で上映された。