亀井文夫特集 [劇映画]
戦争と平和
War and Peace-
1947/モノクロ/35mm/100分
演出:山本薩夫、亀井文夫
脚本:八住利雄
撮影:宮島義勇
編集:今泉義珠
録音:空閑昌敏
音楽:飯田信夫
美術:河東安英
出演:池部良、岸旗江、伊豆肇、大久保翼
製作会社・提供:東宝
1946年の第一次東宝争議、第二次東宝争議を経て組合が勝ち取ったもののひとつに企画審議会への組合代表の参加があった。争議のリーダー的存在であった亀井は、企画審議会でこの映画を提案、憲法発布記念映画として製作された。企画審議会からは、このほかに、黒澤明の『素晴らしき日曜日』(1947)、谷口千吉の『銀嶺の果て』(1947)、成瀬巳喜男の『春のめざめ』(1947)、衣笠貞之助の『女優』(1947)などが生まれた。夫の戦死の公報を受け再婚した妻のもとに、夫が復員してきたことから起こった二重結婚の悲劇を、ドラマと実写フィルム(『戦ふ兵隊』の一部)を使って構成。亀井は劇映画未経験のため、会社側の配慮で山本薩夫との共同監督となった経緯がある。『日本の悲劇』や『戦争と平和』で亀井は一躍民主主義映画の旗手となった。