亀井文夫特集 [戦前の仕事]
富士の地質(部分)
The Geology of Fuji-
1941/モノクロ/35mm/11分
演出:秋元憲
脚本:亀井文夫
原作:脇水鉄五郎(『日本風景誌』より)
撮影:八木仁平
録音:酒井栄三
音楽:深井史郎
解説:徳川無声
製作:村治夫
製作会社:東宝文化映画部
提供:東京国立近代美術館フィルムセンター
富士山はいつの頃、如何にして出来たかをアニメーションで紹介。富士をめぐる大小70余の寄生火山、これにより富士も容貌を変化させてきた。溶岩流によって五湖はどうして出来たか、また、夥しい雪どけ水は地下に染み込み、麓で泉となり池や川になると説明。忍野(おしの)盆地はかつて湖底だったところ。五湖の湖底の水温の低いところが湧き出し口と認められる…と途中までしかフィルム現存せず、後半欠落。軍国主義の時代に霊峰富士は神聖で不動と教えられていたが、富士を科学的視点で描き、自然の摂理によって常に変化していることを示した。亀井が書いたシナリオの題名は「富士山」、改題され上映された。全編残っていないのが惜しまれるが、亀井の姿勢を示す重要な仕事として上映。