亀井文夫特集 [戦後のドキュメンタリー]
生きていてよかった
Still It's Good to Live-
1956/モノクロ/35mm/49分
監督:亀井文夫/勅使河原宏、山崎聖教
撮影:黒田清巳、瀬川浩
編集:仁保春緒、守随房子
録音:奥山重之助、大橋鉄矢
音楽:長沢勝俊
進行:斎藤茂夫
解説:山田美津子
製作:大野忠
製作会社:原水爆禁止日本協議会、日本ドキュメント・フィルム社
提供:日本ドキュメント・フィルム
1955年8月6日と9日、広島と長崎で開かれた第1回原水爆禁止世界大会で被爆者救援運動のひとつとして企画された。三木茂らの撮った『原子爆弾の効果――広島・長崎』(1946)の没収を免れたフィルムから原水爆投下直後の悲惨な状況を引用した後、急性白血病やケロイドなど苦しい生活を続ける被爆者の実態を紹介し、悲しみと不幸の中でも力強く生きる人々を詩情豊かに描く。アメリカによるビキニ水爆実験(1954)で第五福竜丸が被爆、米ソ冷戦下で第三次世界大戦の危機にあって、原水爆反対への世論高まる中、銀座の並木座など各地の劇場で上映された。この映画の製作資金は、世界各国から送られた被爆者救援資金から拠出され、製作には日本中の原水爆反対の団体がひとつにまとまった原水爆禁止日本協議会が当たった。現地の撮影には特に広島と長崎の原水爆禁止協議会が全力をあげて協力した。