亀井文夫特集 [戦後のドキュメンタリー]
生物みなトモダチ〈教育編〉―トリ・ムシ・サカナの子守歌
All Living Things Are Friends―Lullabies of Birds, Insects and Fish-
1987/カラー/16mm/165分
朗読:小林恭治
歌:加藤登紀子
スタッフ:阿部隆、荒瀬光夫、石倉昌子、今井重幸、今井裕、上野たま子、大野忠、大野松雄、大野義信、甲藤勇、菊地周、楠木徳男、高坂智、小林賢、近藤勝之、清水志づ江、瀬川浩、高岩仁、高橋辰雄、滝沢林三、田島侃宣、谷川義雄、手塚陽、時実象平、中尾寛治、中野國夫、西啓子、野崎経三、浜田英夫、藤林伸治、森拓治、矢野力、渡辺和彦、渡辺正巳
製作会社:生物みなともだち製作委員会
提供:日本ドキュメント・フィルム
「鳥になった人間(亀井文夫)のシネ・エッセイ」とタイトルが出て映画は始まる。アラスカの自然と紅鮭の産卵に始まり、種子島の近くトカラ列島、鎌倉、秩父の山奥などさまざまな場所を描写。地球、社会、教育、環境、人間と自然など、亀井が長年考え続けてきたテーマをナレーションで語る。最後に恐竜の骨が写り〈よく聞け人間よ! 「過ぎたるは、及ばざる如し」強くなり過ぎても、ダメなんだ。大きくなり過ぎても、ダメなんだ。よく見ておけ、このオレを!〉と字幕とナレーションが出て、〈やっぱり恐竜の警告をうけ入れましょう――知恵の暴走には、英知のブレーキを! 「競闘」ではなく「共存」を志向し人間万事腹8ブ哲学で!〉とのメッセージで締めくくる。使用フィルム・フッテージは20社を越える映画会社が協力、スタッフは全員ボランティア、製作費はすべてカンパで賄われた。製作には3ヶ年の歳月をかけ、1986年12月、亀井は病に倒れながらも最終編集を終え、翌年完成と共にこの世を去り、これが最後の作品となった。