亀井文夫特集 [戦後のドキュメンタリー]
砂川の人々― 基地反対斗争の記録
The People of Sunagawa-
1955/モノクロ/16mm/27分
撮影:松田忠彦、佐藤正
編集:亀井文夫、沼沢伊勢三
録音:岡崎三千雄
製作:大野忠
製作会社:日本ドキメンタリーフィルム社、北星商事
提供:日本ドキュメント・フィルム
亀井自らの製作拠点、日本ドキュメント・フィルム(註:フィルム上のクレジットは「日本ドキメンタリーフイルム社」)の第1回作品。立川基地をめぐる砂川闘争は、時の鳩山内閣が飛行場拡張をアメリカに約束、これを強行しようとしたために起こった。美しい小川が流れ、桑苗の栽培で暮らしている平和な町、東京都北多摩郡砂川町。立川基地より飛び立つジェット機のつんざくばかりの爆音に悩まされていた。調達庁は立川基地拡張のため土地接収を公告、農民たちは先祖伝来の土地を基地にされてたまるかと、町をあげて反対闘争に立ち上がった。8月24日第2回測量が行われ、次いで9月13日、第3回測量が強行され、早朝から地元民は1760名の警察と対峙する。午後になって多数の労働者が到着、ピケ隊はスクラム攻勢で対抗、双方に多数の負傷者が出る。翌14日、警官は全員鉄兜を被ってやって来た。ピケ・ラインは破られ、畑の中に測量隊とともに乱入、杭打ちが始まった。「砂川に杭は、うたれても、心に杭は、うてない。」と字幕が出て、これからの長い闘いを示唆。17日、全国軍事基地反対対策協議会報告会が開かれ、地域から国ぐるみの闘いへ、新たな闘争の段階に入ったと告げる。最後に「団結」のむしろ旗が画面一杯になる。