亀井文夫特集 [戦前のドキュメンタリー]
北京
Peking-
1938/モノクロ/16mm/45分
監督・原案・編集:亀井文夫
撮影:川口政一
録音:藤井慎一
音楽:江文也
解説:松井翠声
製作:松崎啓次
製作会社:東宝文化映画部
提供:山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー
亀井は『上海』のあと、3000年の伝統を保つ古都北京の文化とそこに住む人々を描いた。紫禁城、景山、天壇などを紹介、そのあと市場、商店街、裏通りなどへカメラは入り、同時録音で延々と市民の表情を描く。今では見られない様々な市民の暮らしぶりは、民族学的価値も十分といえる。フィルムは日本に存在せず『映画評論』昭和13年6月号掲載のシナリオでしか内容が分からなかったが、当映画祭で「日米映画戦」を担当した阿部マーク・ノーネス(現・ミシガン大学助教授)が、ワシントンの米国国立公文書館でその存在を確認、山形ドキュメンタリーフィルムライブラリーが1998年に複製し収蔵した珍品。巻頭を含め30分程度の欠落があるようだ。