亀井文夫特集 [戦後のドキュメンタリー]
流血の記録・砂川
Record of Blood: Sunagawa-
1956/モノクロ/35mm/55分
撮影:武井大、植松永吉、城所敏夫、勅使河原宏、大野忠、亀井文夫
編集:亀井文夫、渡辺正巳、豊富靖、岸富美子
録音:奥山重之助、大橋鉄矢、大野松雄
音楽:長沢勝俊
進行:斎藤茂夫
解説:寺島信子
企画:砂川斗争記録映画製作委員会
製作:大野忠
製作会社・提供:日本ドキュメント・フィルム
1955年9月闘争の記録『砂川の人々』(1955)、11月闘争の記録『砂川の人々・麦死なず』(1955)に続く砂川闘争映画の第3作。前2作を利用して昨年の闘争の経過を紹介、さらに今年の闘争の現実を追う。1956(昭和31)年10月12日は53名の測量隊が現れ、1300名の武装警官が殺到、労組員、全学連がスクラムを組み警官隊を阻止、両者278名の負傷者が出た。13日は5000人の労組員と全学連が動員され闘争は最高潮、警官隊はピケ隊に襲いかかり、重軽傷者はピケ隊側844名、警官隊側80名に及んだ。世論は警官隊の暴行と政府の無政策に憤慨、政府は14日夜、突然ラジオで測量中止を発表し、地元は歓喜と興奮に沸きかえり勝利のデモが繰り広げられた。15日は、砂川基地反対斗争の勝利への国民総決起大会が開かれ、病院から負傷者も駆けつけて歓びの言葉を述べた。撮影にあたり、スタッフは10月4日から砂川町の農家、青木波吉さん方に泊まり込み、その間、応援の労働組合員や学生たちと生活を共にして撮影。総評をはじめ6団体が集まって組織した「砂川闘争記録映画製作委員会」が企画、撮影、全国公開などに強力な応援を行った。この映画は、35mmにブローアップされ、池袋の文芸坐など各地の劇場で公開された。