亀井文夫特集 [戦後のドキュメンタリー]
ヒロシマの声
Voice of Hiroshima-
1959/英語/モノクロ/16mm/40分
企画:原水爆禁止日本協議会
製作会社・提供:日本ドキュメント・フィルム
第5回原水爆禁止世界大会の記録。1959年6月10日東京、新潟、鹿児島の与論島から広島をめざして行程5000キロ、1000万人の平和行進が行く。8月6日午前8時15分、広島は深い沈黙に支配された。鳴り響く教会の鐘、サイレンの音、街には弔旗が掲げられた。8月1日から7日まで、世界的な原水爆禁止の世論と平和行進のなかで示された国民の圧倒的な支持の中で、第5回原水爆禁止世界大会が開かれた。大会は日本の核武装と海外派兵に道を開く安保条約改定の問題をめぐって、かつてない激しい討論が行われた。しかし、今なお広島には痛々しい原爆の爪痕が残されている。8月6日、原爆病院で静かに、鳴り響く鐘の音を聞いていた17歳の少女が、大会から17日目の8月23日、白血病で死んだ。「二度とこんなことが起こらないようにお願いします」少女は死の直前、英国の婦人に手紙を書いた。こうして広島は今もなお原爆の証言を続けている。