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アジア千波万波 特別招待作品[中国]

映画のない映画祭

没有电影的电影节

- 中国/2015/中国語/カラー、モノクロ/Blu-ray/80分

監督、編集、提供:王我(ワン・ウォ)
撮影:刁丁成(デャオ・ティンチョン)、刁忠(デャオ・チョン)、陳堯(チェン・ヤオ)、 叢峰(ツォン・フォン)、耿軍(グン・ジュン)、胡力夫(フー・リーフー)、黃香(ホァン・シャン)、 賈楠楠(ジャー・ナンナン)、蔣聖達(ジャン・ションダー)、李長海(リー・チャンハイ)、李鵬(リー・ポン)、 劉磊(リウ・レイ)、莫莫(モー・モー)、騰埜(トン・イエ)、王我、相龍傑(シャン・ロンジエ)、爻禹(ヤオ・ユー)

2014年、北京の映画祭が当局によって開催直前に中止させられた。映画は、村民と称する私服警官の妨害、映画祭事務局の家宅捜索、スタッフの事情聴取といった緊迫した状況を伝える。宋荘のアーティストらが家を開放し、集まった監督やゲストと私的上映会や議論を行う様子から、ソーシャルメディア上で目を閉じた写真を掲載し、映画祭への連帯を表明する「閉会式」まで、居合わせた多くの人の手によって撮影された映像を集め、事の顛末を記録した。



- 【監督のことば】2014年8月、第11回北京インディペンデント映画祭(北京独立影像展)が当局によって強制的に中止させられました。この期間中、多くのゲスト、観客、ボランティアスタッフが現場でたくさんの資料映像を撮っていました。事件を記録すべく、そうした資料映像を集めて保存し、編集したのがこの作品です。北京独立影像展は中国国内でも数少ない、かつ重要な民間のインディペンデント映画祭でした。近年、中国の民間の映画祭は立て続けに中止に遭っており、この映画祭が中止となって、民間の映画祭は消えたに等しくなりました。インディペンデント映画の上映環境は、十数年前の状況に戻ったかのようです。どの角度から考えても、これは明らかな後退であり、そのため記録を残す必要がありました。この作品の映像音声素材はすべて観客、現地の芸術家、映画祭に参加していた監督やゲスト、スタッフ、ボランティア、さらに記者とメディアから提供されています。これは集団創作によって誕生した映画なのです。


- 王我(ワン・ウォ)

中国河北省邯鄲生まれ。中央美術学院でグラフィックデザインの学士号、清華大学で芸術デザインの修士号をそれぞれ取得。2001年よりフィルムやビデオの映像作品をインディペンデントで制作しており、『Outside』(2005)、『Noise』(2007)、『Zhe Teng: According to China』(2010)、『The Dialogue』(2014)などの作品がある。2008年からは北京の栗憲庭(リ・シェンティン)電影学校で教鞭を執っていた。2012年にはニューヨークのジェイコブ・バーンズ・フィルムセンター・メディアアーツラボに、アーティスト・イン・レジデンスおよび国際フェローとして滞在。2014年以降は、コーネル大学パフォーミング・アンド・メディアアーツ学部の客員アーティストも務めている。