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[韓国]

人として暮らす

The Slice Room
사람이 산다

- 韓国/2016/韓国語/カラー/Blu-ray/69分

監督、撮影、編集、提供:ソン・ユニョク

生活困窮者が身を寄せ合って暮らすソウルの一角にある簡易宿泊所チョッパンが再開発で消えようとしている。同棲を始めたばかりのイルソとスンヒ、生活保護を受けるために苦難するナムスン、うつ病を抱えるチャンヒョン。ここに凝縮されて見える、まるで人を追い込むためにあるかのような社会のなかで、それぞれが支援団体とも関わりながら人らしく生きる道を模索する。監督はそこで生活し、素朴な問いを発しながら、社会保障制度の歪みも浮かび上がらせる。



- 【監督のことば】韓国で生まれ育った。街でホームレスの相談に乗る活動をしながら、彼らの口になりたいと思った。それは、彼らは街で生きて死んでいくが、その苦しみの声が社会に届いていなかったからである。

 韓国社会の悲惨な貧困を目の当たりにして、大きく驚き、胸を痛めていた。ありえないと思われたことが実際にこの国では起きている。

 終わりの見えぬ貧困の鎖を見て、その鎖を錆びつかせたい。あるいはそのもつれを解きほぐすことができるよう何とかしたいと思う。我々のカメラが彼らの口になる時、小さな希望が始まると信じている。

 人びとは今もなお路上で死んでいる。だが制度は、貧困に終わりがないかのように、事態を永続させようとする。

 貧困の最前線に位置する路上にあって、「ドキュジン(人)」はふらつくような歩みで人びとを記録していく。


- ソン・ユニョク

2010年より独立ドキュメンタリー製作団体「ドキュジン(人)」で活動。チョッパンで暮らす人びとの話を扱った本作が初の長編映画である。