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[香港]

乱世備忘 ― 僕らの雨傘運動

Yellowing
亂世備忘

- 香港/2016/広東語/カラー/Blu-ray/128分

監督、撮影:陳梓桓(チャン・ジーウン)
編集:胡靜(フー・ジン)、陳梓桓
配給:影意志有限公司
日本語字幕版提供:日本・香港インディペンデント映画祭2017

2014年9月から2ヶ月半以上続いた、香港の民主的な選挙を求める雨傘革命を、一般の学生たちの視点に立って記録、20の章に分けて構成する。警官たちとの対峙や衝突等は当然描かれるが、むしろ参加する学生たちの日常会話、家族のことなどが多く語られ、彼らの喜怒哀楽、熱意と優しさが素直に伝わってくる。カメラを構える監督も時々恐怖を感じながら、若者たちと警官たちの狭間に入り込み、雨傘革命に参加する。



- 【監督のことば】2014年9月26日、警官隊が前進し、私は学生デモ隊の最前線に押し出された。逮捕はされなかったが、警官隊と学生の間に挟まれた。その時間のなかで、私は最前線に立つ学生たちを知り、彼らの姿に、私が一度も持ったことのないような、あるいは遠い昔に失ってしまったようなビジョンと勇気を見た。その後、私たちはともに、あの雨傘運動のすべてを体験した。

 今から20年前、梁振英[雨傘革命時の行政長官]は天安門の虐殺を非難したが、曽蔭権[梁の前任の行政長官]は、同じ時期に中国の民主化を支援するコンサートに参加していたことを否定した。20年の歳月があれば、多くのことが変わる。「今後50年間、現在の制度を維持する」と決められたが、その期限が近づくにつれ、香港はより大きな困難に直面することになるだろう。この運動に参加した人たち、自分も、彼らも、その他のあらゆる人が、信念を持ち続け、当初の目的を忘れずにいるかはわからない。そのため私は、あの運動をいつでも思い出せるように、このドキュメンタリーを残したいと思う。


- 陳梓桓(チャン・ジーウン)

政策と行政を学んだ後、香港浸会大学で映画とテレビの修士号を取得。『The Aqueous Truth』(2013)、『Being Rain: Representation and Will』(2014)などの短編で、ドキュメンタリーを模した“モキュメンタリー”の手法を用いて香港の政治情勢を描写した。2014年、カメラを持って雨傘革命に参加し、その2年後に初の長編ドキュメンタリーとなる本作を制作。台北金馬奨で最優秀ドキュメンタリー賞にノミネートされた。