[韓国]
ウラーッ!
Hurrahh!환호성
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韓国/2011/韓国語/カラー/Blu-ray/75分
監督、撮影、編集、提供:チョン・ジェフン
音楽:パク・タハム
出演:イ・ミョンジェ
配給:AHA
ビリヤード場で飲み物を運び、ガソリンスタンドで洗車し、黙々と働く男の日常生活をストーカーのように捉えるカメラは、観る者の視線と感覚を支配しようとしている。人と人が交わる感触、交わす言葉が一切排除された世界では、唯一「話す」機械音が生活のリズムを脳内に刻む。一人の人間の肉体が、個体性を少しずつ侵食されながら、同時に氾濫の時を伺っているのか。不穏な空気とともに、叫びがこだまする、ある男の家と仕事の往復。
【監督のことば】私は名もなく、アイデンティティもない不思議な力を映画に入れ込もうと努力した。そのため、登場人物の表情に表れる社会的関係、感情の変化、象徴性、性別などが表面化しないよう、作品から削ぎ落とそうとした。実際、私たちの生活は、体系的な枠組みだけでは捉え切れないことが多い。したがって、お腹がグウグウ鳴る音や夜空の雷、寝言といった感覚がつくり出す新たな道に沿って行くことしかできなかった。やがて、その道はフィクションに繋がることになる。こうした想像的な枠組みがつくり出した人物の表情を、ドキュメンタリーのような瞬間として捉えていくと、その力は現実にまで影響を与えることができると考えた。人物の生々しい表情が持つ、永遠に破壊していくような力を暖かく発揮できることを願いながら作品を作った。本作はSFホラー映画であり、またドキュメンタリーであるとも言える。
チョン・ジェフン
1986年ソウル生まれ。『Someone's Heart』(2005)をはじめ、複数の短編から映画制作を始める。長編『Hosu-gil』(2009)および本作(2011)の後、短編『Tenderly』(2013)を制作。最新作は212分の『Turbulence at Dodoli Hill』(2017)。