OUT:ホモフォビアを叩きのめす!プロジェクト
OUT: Smashing Homophobia ProjectOUT: 이반검열 두 번째 이야기
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韓国/2007/韓国語/カラー/ビデオ/110分
監督、脚本、撮影、編集、製作:ウム・フェミニスト・ビデオ・アクティヴィズム
セルフカメラ:チョンジェ、チョイ、コマ
音楽:レズビアン・オーディオ・アクティヴィズム L.FLOWer
提供:ウム・フェミニスト・ビデオ・アクティヴィズム
ソウル在住、恋にセクシュアリティーに学校に家族に悩むレズビアン高校生3人。前作『OUT:レズビアンの何が悪いの?』では中学生だった彼女らも、高校生になって、彼氏ができたり、彼女ができたり、失恋したり。それぞれが身の回りで工夫を凝らして撮影した映像を監督のひとりと試写する場が、時には悩み相談室にもなり、映画を製作する過程で自分たちを等身大にさらけ出す。友だちに、恋人に、家族に、世の中に何か言わせて!と自らカメラとマイクを手にして語り、歌いだす、痛快プロジェクト。
【監督のことば】同性愛を嫌悪する社会では、10代のレズビアンたちは幼いということや、多感な年頃だからという理由で、ある時期の恥ずかしい同性愛的経験にしか思われず、レズビアンであるということを認めてもらえない。未熟だという偏見と非難、嫌悪の対象になる10代のレズビアンの話は、これから彼女たち自らが主体となって話さなければならない。また、レズビアンがドキュメンタリーに登場すること、それ自体が社会的なカミングアウトであり、レベルと内容は主人公が自分たちで決めるようにできなければならない。
このような理由から、10代のレズビアンの主人公が制作主体となる“主人公参加制作方式”と、登場人物が自ら演出する“セルフカメラ形式”を用いての製作となった。
『OUT』は監督と主人公、撮る人と撮られる人の境界を壊して作り出した関係が結晶した作品であり、30代のレズビアンである監督の演出と、主人公である10代のレズビアンたちのセルフ演出とが、織り混ざり作り上げられたものだ。特にセルフカメラ形式は10代のレズビアンたちが異性愛優越主義と同性愛嫌悪とで傷だらけになった内面を自ら語り、癒す方法として考え出され、彼女たちはこの経験を通して、傷と痛みの原因を発見し、自分たちがレズビアンであることを肯定するようになった。
30代のレズビアンたちは語り合う場を作り、20代のレズビアンたちは自身の10代での経験を基にして10代のレズビアンたちが傷の河を渡ることができるメッセージ・ソングを作り歌ってきかせ、そういったなかで10代のレズビアンたちは、辛い成長の話を聞かせてくれた。この作品は韓国のレズビアン・コミュニティーが作り出した作品であり、また別のコミュニティーを形成するきっかけにもなった。
ウム・フェミニスト・ビデオ・アクティヴィズム 2001年に結成されたウムは、映像制作を通じて女性運動を創出することを目指す女性映像集団である。ウムとは、主体的な女性が新しいフェミニズムに向かって進み、男根主義的な女性観に異を唱えることを意味する。これまでの作品は『An Anti-War Video Declaration of Women』(2001)、『亀姉妹(タートル・シスターズ)』(2002)、『Knife Style』(2003)、『Female Sex Trafficking』(2004)、『We Are Not Defeated』(2006)。本作は「ホモフォビアを叩きのめす!プロジェクト」シリーズの『OUT:レズビアンの何が悪いの?』(2005)の続編として企画された。 |