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    夢遊

    Dream Walking
    梦游

    - 中国/2005/中国語/モノクロ/ビデオ/86分

    監督、撮影、編集:黄文海(ホァン・ウェンハイ)
    製作:朱日坤(ジュー・リークン)
    製作会社、配給:現象工作室

    アーティスト4人のある夏の経験。映画制作を企画して3年住んだ北京から故郷に戻った画家の王永平(ワン・ヨンピン)。彼を手伝いに集まったアーティストたちとの映画作りが始まる。生態美術家の名の下、所構わず逆立ちをする李娃克(リー・ワーコォ)。80年代の現代美術運動で活躍した画家、丁徳福(ディン・ドォフー)は、今や教師生活や家族との時間に忙しい。しがない警備員で日銭を稼ぐウェブ詩人、貝貝(ベイベイ)。果てることのない美術と表現への想いは、夏の暑さに揺らめき夢の中を漂泊する。中国の変容と交差しながら人生とアートを横断して描かれるモノクローム世界。



    【監督のことば】『夢遊』は「混沌三部曲」の第2作になる。第1作の『喧嘩的塵土』で、激動の現代中国に生きる市井の人々を描いた。そこでは無秩序が人々の生活を支配し、社会は不条理な幻滅の空気で満ちている。そして『夢遊』では、現代社会で生き残った芸術家の世界を視野に入れた。撮影は2004年7月、中国河南省にある中規模の都市で行われた。撮影の間、私はそこで起こった数々の現象にも心を動かされた。そして、「この世界の無秩序は、人心の無秩序と同じである」と理解するにいたった。この映画は、現代中国の文化的混乱の中に存在する芸術家を描いている。彼らの創作は、社会や自分の人生に対する自己表現である。『喧嘩的塵土』に登場した中国の市井の人々と同様に、彼らもまた、無秩序で不条理な社会の中でもがいている。しかし市井の人々と違うのは、彼らが豊かな感受性と創造性を持っており、自ら世界を見捨てたか、または世界に見捨てられたところがあるという点だ。ひとつはっきりしているのは、彼らが“目覚めた”人々であるということだ。幻滅を経験した彼らは、“人類の良心”に目覚め、混沌とした人間世界の中で自らの贖罪を探し求める。彼らの作品は、そのような努力の結果である。一見すると滑稽な創作活動だが、実際は彼らの真摯な努力の現れであり、彼らにとって唯一の生きた証だ。現代のもっとも声を奪われた人々の代弁者として、彼らは作品の中で、時代に取り残された自分たちの心象風景を語っている。それは私の映画のテーマでもあり、『喧嘩的塵土』から始まった中国現代社会の研究と描写の流れを汲んでいる。


    - 黄文海(ホァン・ウェンハイ)

    16mm長編映画『北京郊区』をプロデュースした後、『軍訓営紀事』(2002)を監督。同作品は2003年FIPAフランス国際映像祭のクリエイティブ・ドキュメンタリー部門、モントリオール世界映画祭で上映された。2003年に『喧嘩的塵土』を監督。2004年アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭の新人監督部門、シンガポール国際映画祭、2005年雲之南記録映像論壇コンペ部門に出品。