［台湾］
テラキスの帰郷
Millets Back Home好久不見徳拉奇
台湾／2013／中国語、タイヤル語／カラー／Blu-ray／72分
監督、撮影：莎韻西孟（サーユン・シモン）
編集：蕭舒妮（シャオ・シュウニイ）
撮影補：卡洛希夫（カロ・シーフー）、黃士傑（ホアン・シィチエ）
音楽：瑪蓋丹（マーガイタン）
美術：楊淳淳（ヤン・チュンチュン）
提供：黃意植（ホアン・イーチィ）
台中の山々に囲まれた僻地のタイヤル族の村で、アワ（＝テラキス）作りを続けるおばあさん。ゴミ収集の傍ら果樹を育てる男。彼を手伝う息子は、中学を卒業し高校へ通うため、町に出て一人暮らしを始める。デイケアセンターで働くおばさんは、タイヤル語を話せなかったが、意欲的に何でも吸収しようとする。3つの家族を中心に、失われつつある伝統を守ろうとする村人たちの生活がいきいきと描かれ、帰郷した監督の部族への思いも募っていく。
【監督のことば】これは「家族」についての物語だ。私はよくこんなことを考える――私たち原住民の若者世代は年長の人たちからいろいろ学ぼうと躍起になっているけれど、彼らもまた同時に、自分を見失っているのではないだろうか？
そんな思いから、故郷へ戻りインディペンデント・プロデューサーとなった私は、社会のメインストリームに呑み込まれつつあるこのタイヤル文化を、家族の視点から紹介することができればと考えている。原住民の集落は、台湾の昔ながらの農業や文化が抱える窮状を示す縮図なのだ。
莎韻西孟（サーユン・シモン）1982年、台中市和平区にあるタイヤル族の村、環山部落に生まれる。幼少期を部落で過ごし、タイヤル文化の中で育ったが、その民族意識が芽生えたのは、23歳でジャーナリストになって以後のことである。「原住民族電視台」と「年代新聞台」に勤務し、インタビュー、ニュース原稿の執筆、ドキュメンタリー番組制作に従事。また、部門責任者としてドキュメンタリーの企画立案に携わりつつ、原住民の若者向け雑誌にコラムを寄稿することもあった。国立台湾芸術大学テレビ・ラジオ放送学系を卒業して以来、原住民の生活と土地の権利といった問題に深い関心を持つ。旅好きであり、それらの問題を、映像と文章を組み合わせて表現することに没頭している。
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