YIDFFネットワーク企画上映
YIDFFネットワークは、1989年の第1回山形国際ドキュメンタリー映画祭開催にあたり、小川紳介監督の呼びかけで集まった有志によるボランティア・グループである。それ以来継続的に様々な活動を続けている。これまで市民向けの金曜上映会の運営や、インターナショナル・コンペティション、アジア千波万波、日本パノラマなどの作品選考にも関わってきた。また、開催中毎日発行されるデイリ−・ニュースの取材と編集発行、ビデオ、写真による記録などの仕事を引き受けている。近年は学生や県外からの参加も増えている。さらに、毎回映画祭と協力しながら独自の視点によるプログラム、YIDFFネットワーク企画上映を行っている。今回上映する作品は、本映画祭と馴染みのある作家の作品である。
風の波紋
Dryads in a Snow Valley- 日本/2015/日本語/カラー/Blu-ray/99分
監督:小林茂
プロデューサー:矢田部吉彦、長倉徳生
撮影:松根広隆
現場録音:川上拓也
音響:菊池信之
編集:秦岳志
編集協力:山崎陽一
製作事務局:目黒秀平、小林眞人
音楽:天野季子
製作会社:カサマフィルム
配給:東風 www.tongpoo-films.jp
舞台は越後妻有の雪深い里山。10年前に東京から越してきた木暮さん夫妻は茅葺屋根の古民家を修繕し、有機・無農薬で米を作り生活してきた。悠々自適、ちょっとアナーキーな田舎暮らしに見えるけれど、ひとりではできない。すべて愉快な仲間たちとの協働作業だ。2011年の春、長野・新潟県境地震が発生。木暮さんの家も全壊するが、彼は再建を決意する……。ときに過酷な自然と生きるよろこびをファンタジックに描いた映画の冒険。
【監督のことば】『阿賀に生きる』『阿賀の記憶』をともに作ってきた佐藤真監督が急逝しました(2007年)。その喪失感はあまりに大きく、透析生活にもなっていた私は、体調を崩し、映画制作を諦めていました。ある日、友人が移住した山村を訪ね、夏の草木に反射する光を浴びた瞬間、走馬灯のように少年時代が浮かびあがり、ここなら映画が作れるかもしれないと、希望が生まれました。完成まで5年。映画が私を生かしてくれたと思っています。