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    Disorder
    现实是过去的未来

    - 中国/2009/中国語/モノクロ/ビデオ/58分

    監督、編集:黄偉凱(ホァン・ウェイカイ)
    編集助手:小芳(シャオ・ファン)
    撮影者(素材提供):陳財(チェン・ツァイ)、黄木(ホァン・ムー)、陸仁(ルー・レン)、小新(シャオ・シン)、朱玉(ジュー・ユィ)、 朱純(ジュー・チュン)、曾睿(ツォン・ルイ)、張示(ジャン・シー)
    追加撮影:黄樹球(ホァン・シューチウ)、凱旋(カイ・シュエン)
    製作:文達(ウェン・ダー)
    製作助手:曾彦斌(ツォン・イェンビン)
    製作会社:黄偉凱デジタル映画制作室
    提供:黄偉凱(ホァン・ウェイカイ)

    アマチュア・レポーターたちがニュース用に現場で撮影した20編の「事件」。路上のブタ、事故、火事、置き去りの子ども、逮捕……。事件から事件へとザッピングしながら、残像が集積していく。緻密に編集された映像と現場音からは、広州の無秩序な街の息づかいと肌触りと共に(センセーショナルで無関心な)社会の営みが透けて見える。砂嵐に乗せ、街の変わりゆく過程と置き去りにされる人間の断片が、静かな地響きを奏でる。



    【監督のことば】 中国の大都市と言われる所では、DVカメラを抱えたアマチュア・カメラマンが彼方此方の街角にいて、魂を揺さぶる事件を日ごと追い求めている。彼らが撮る素材は、地元のテレビ局に買われ、庶民の生活を映し出すニュースとして放映されている。こうしたアマチュア・カメラマンたちの中には、それがこうじて職業化し、公安や消防、都市管理局、交通警察、救急センター、保健機関などから信頼を得て直接情報を流してもらっている者も少なくない。彼らは正規の記者ではないが、記者以上の特別待遇を受け、事件現場の最前線に赴き、テレビ局や新聞社とは全く異なった素材を撮るのである。

     2007年から2008年までの2年間、私はこうしたアマチュア・カメラマンの素材を集め、自分なりの都市のシンフォニーを編み出そうと決めた。これまで、都市のシンフォニーのスタイルを持つドキュメンタリーは、たとえばヴァルター・ルットマン『伯林 ― 大都会交響楽』(1927)や、ジガ・ヴェルトフ『カメラを持った男』(1929)、ゴッドフリー・レジオ『コヤニスカッティ』(1983)などのように、概して現実の音を表現することはなかった。しかし本作には、音楽は一切使われない。あらゆる現実の音と事件が、この“都市のシンフォニー”を織り成すからだ。


    - 黄偉凱(ホァン・ウェイカイ)

    1972年、広東省生まれ。10歳より15年間中国絵画を学ぶ。1995年広州美術学院中国画学科卒業。映画宣伝、アートエディター、グラフィックデザイナー、映画脚本家およびカメラマンを経て、2002年よりインディペンデント映画監督。

     ドキュメンタリー監督作品に、『現実、それは過去の未来』(2009、釜山国際映画祭AND基金助成作品、シネマ・デュ・レール青年審査員特別賞)、『飄』(2005、雲之南記録映像展黒陶賞および観客賞、ニューヨークReel Chinaドキュメンタリー・ビエンナーレ新人監督賞)など。撮影作品は、『三元里』(2003、ヴェニス・ビエンナーレ出品作品)、『煤市街』(2006、イスタンブール・ビエンナーレ招待出品)など。