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    외박

    - 韓国/2009/韓国語/カラー/ビデオ/73分

    監督、編集、製作:キム・ミレ
    脚本:キム・ミレ、ヘヨン(ペン)、キョンスン
    助監督:ヘヨン(ペン)、チャギョン
    撮影:キム・ミレ、チャギョン、アン・チャンヨン
    録音:メディアクト
    整音:ピョ・ヨンス、キム・ビョンオ
    音響:ピョ・ヨンス
    音楽:キム・ビョンオ
    タイトル・アニメーション:キム・ヨンホ
    イラスト:イ・ジヨン
    提供:キム・ミレ www.mi-re.com

    2007年6月30日、「非正規労働保護法」施行の前夜。それは女性たちが、結婚してから初めて「外泊」した日だ。法施行を前に、大手スーパーのホームエバー社は、女性労働者が大半を占めるパートを大量解雇した。その差別的扱いに怒った女性たちは、レジカウンターを占拠し、店内に毛布を敷き詰め、泊まり込みを開始。食料を持ち寄り料理し、互いの思いを語り合う。歌い、踊り、泣き、笑い、500日間にも及ぶ労働闘争はいつしか女性たちが担っている家事、子育てなどの家族的役割からの解放の場を生み出す。

    共催:連連影展



    【監督のことば】 仕事を持つ女性に対して、韓国社会は家庭との両立を迫る。女性の主だった仕事は家庭での「母親」なり「妻」といった役割であり、その文脈においてしか彼女たちの仕事は評価されない。

     そのため、女性労働の疎外化や、低賃金、非正規雇用などが正当化されることになる。これは女性たちに完全に独立した生活を送らせないようにすることだ。

     女性労働者たちがこのような差別や不当な扱いに抵抗しようとする時、韓国の進歩的運動組織は女性たちの労働運動をきちんと支援してきたのだろうか。韓国における進歩的運動は男性中心的なもので、ここ10年間、変わるどころか、現在は深刻な危機に直面している。女性労働者たちの闘争やストライキも過去には数多く登場したものの、すぐに忘れ去られ、継続されることがない。私は、差別に抗い、労働者の基本的権利を求めて「家族」の外へ飛び出した女性たちの声と、彼女たちの闘争がどのように華々しく散っていったのかを記録してみようと思う。


    - キム・ミレ

    ソウルを拠点に活動しているドキュメンタリー監督、プロデューサー。忠清北道(チュンチョンブクド)の小さな農家に生まれる。韓国外国語大学ドイツ語専攻を卒業した後、韓国独立映画協会の運営委員を務める。1998年よりドキュメンタリー映画の制作を開始。『Always Dream of Tomorrow』 (2001)、『Going Together Hand in Hand』(2002)、『We Are Workers, or Not?』(2003、フリブール国際映画祭でドキュメンタリー賞受賞)など、韓国の労働者階級を見つめてきた。日雇い労働者を描いた『ノガダ(土方)』はソウル人権映画祭で人権映画賞を受賞した。