インターナショナル・コンペティション
1989年の第1回目から世界とドキュメンタリーを見つめてきた、本映画祭の柱のひとつであるインターナショナル・コンペティション。厳選された15本の作品は、開催期間中に各々2回上映され、ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)ほか各賞が国際審査員により決定されます。今年は過去最多となる、110の国と地域から、総数1,141本の応募がありました。
近年、ホームページからオンラインでのエントリーが圧倒的に増え、地球の反対側からの応募も即時に受け付けられるようになり、電子メールでのやりとりで、受付業務は効率的にはなっています。しかし、私たちが応募された作品と向き合う時間が短縮されることはありません。
本映画祭のインターナショナル・コンペティションは、応募された全ての作品を複数名が視聴し、議論を重ねながら、最終的に上映する15本を決定する方法を第1回目から続けています。
今回は、映画評論家や映画祭役員、事務局スタッフを含む9名で構成された選考委員と数名のアドバイザーが、半年間連日連夜、作品を観て選考しました。また市民による選考体験試写も行われました。
観客の皆様には映画祭期間中、こうした過程を経て上映することになった作品を観ることに加えて、来形した監督たちに質問を投げかけたり、街角や香味庵で映画談義をしていただきたいです。作り手と観客、そのつなぎ役とが皆一体となることができる空間もまた、本映画祭の柱のひとつだからです。
また、映画祭以降に非営利の上映に貸し出す作品もありますので、惹かれる作品に出会った方は、映画祭が終わってから、それぞれの地域で上映会を開いてみませんか。山形での出会いが、映画祭に参加してくださる一人ひとりにとって実り多きものとなりますように。
最後に、プログラム実施にあたって、ご応募いただいた製作者の皆様、そしてご協力いただいた多くの方々に深く感謝申し上げます。
小林みずほ