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インターナショナル・コンペティション

クレイジー

Crazy
- オランダ/1999/オランダ語/カラー/35mm (1:1.66) /97分

監督:エディ・ホニグマン
脚本:エディ・ホニグマン、エスタ・グルド
撮影:グレゴール・ミアマン
編集:マリオ・スティーンバーゲン
録音:ピジョトル・ファンディク、リック・メイェル
製作:ピーター・ファン・ハイステ
製作会社:ピーター・ファン・ハイステ・フィルム&TV
配給:イデアル・オーディァンス・インターナショナル

オランダの国連軍兵士が参加した戦地での回想。今は日常生活に戻った彼らの記憶は、故郷からはるか遠く離れた場所で、気持ちをなごます特別な1曲の歌ともつれあう。ホニグマン監督は兵士たちに粘り強いインタビューを試み、戦時の記憶と絡み合う印象的な音楽と共に、彼らが受けたこころの傷跡を照らし出す。



【監督のことば】『メタル&メランコリー』の最後に登場するタクシー運転手がカセットテープの音楽を聴いている。その曲は彼が25年前、当時熱烈に愛していたイタリア人女性と一緒に聴いていたもので、ふたりの愛が破局を迎えたのは、それが「不可能な」関係だったから。けれど彼は思い出の曲を毎日欠かさずタクシーの中でかけた。この映画の観客には、この曲をかけるたび、彼は彼女に再び出会い、愛しているのだということが伝わっていく。私が人生における音楽の力についての2つの作品、『アンダーグラウンド・オーケストラ』、『クレイジー』の製作を思い立ったのは、彼から得たインスピレーションのおかげだった… 本人は知らないと思うけど。

 『アンダーグラウンド・オーケストラ』を完成した私の頭に浮かんだ設問は「人が直面しうる最悪の状況である戦争における音楽の力と機能とは?」というものだった。ある音楽を聴くことによる力ということがメイン・テーマとして蘇った。音楽を通して『クレイジー』は観客を国連軍オランダ兵たちの心の内面の旅へといざなっていく。本作は彼らが兵役をつとめた戦場についての追憶――故郷から遠く離れた地で彼らに心の平安をもたらし、戦争の恐怖から彼らを守ってくれた大切な歌に複雑にからみあった記憶――をめぐる映画である。国連軍1回目の韓国派遣(1950)から始まり、レバノン、カンボジア、ルワンダ、旧ユーゴスラビア、そして1995年のスレブレニツァ陥落まで、本作はホームビデオ、写真、さらにアーカイヴ・フッテージ(感動的な映像もあれば陰惨な映像も)で兵士たちの旅を綴っていく。彼らが語る痛烈な物語のテーマは責任、メランコリー、恐怖、愛、無気力、そして死、である。

 

- エディ・ホニグマン

1951年ペルーのリマ生まれ。1978年オランダへ帰化。リマで生物学と文学を、ローマで映画製作を学ぶ。C.カーロットと共同で第1作『The Israel of the Beduins』(1979)を監督。他に『The Door of the House』(1985)、『Four Times My Heart』(1990)などを発表。本映画祭では『メタル&メランコリー』(1993)が1995年インターナショナル・コンペティション最優秀賞、1999年に『アンダーグラウンド・オーケストラ』(1998)が審査員特別賞を受賞。その他、『Goodbye』(1995)、『O Amor Natural』(1996)、『2 Minutes Silence, Please』(1998)などを製作。


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