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インターナショナル・コンペティション

あるアナーキスト ― ドゥルティの生涯

Buenaventura Durruti, Anarchist
Buenaventura Durruti, anarquista
- スペイン、フランス/1999/スペイン語、カタロニア語、フランス語/カラー/ビデオ/107分

監督:ジャン=ルイ・コモリ
脚本:ジャン=ルイ・コモリ、ジネット・ラヴィーニュ
撮影:ジャック・パマール
編集:アニータ・ペレズ
録音:フランシスコ・カミノ
音楽:ミシェル・ポルタール
製作:ヘラルド・コラス、パコ・ポッシュ
製作会社・配給:INA
4 Avenue de l'Europe, 94366 Bry-sur-Marne FRANCE
Phone: 33-1-49-83-29-92 Fax: 33-1-49-83-31-82 E-mail: mgautard@ina.fr

1896年に生まれ、スペイン革命の際にアナーキスト部隊を指揮し、1936年に亡くなった革命家ブエナヴェントゥラ・ドゥルティ。彼の生涯が、当時の映像を挿入しながら、ストリートパフォーマーの歌と舞台俳優によって演じられる。舞台装置もない普通の部屋でリハーサルとも本番ともつかない芝居が進行していく。映画の中で芝居が作り上げられ、その芝居自体がいつしか映画そのものとなる。



【監督のことば】むかしむかし…カタロニア地方のどこかで…そんなに大昔のことじゃない…。こうしてこの物語は始まる、生活のなかに根付いた歌のように、ドゥルティのロマンツェロが甦り、その人生を点描し、演奏され、伝えられて行く。それぞれの人がそれぞれのやり方で、大道芸人の歌手も、劇場の俳優も、この歌を伝えて行く。

 ドゥルティ。スペインのアナーキスト、1896年生まれ、1936年死去。想像もつかない人生。かつての人生。私たちの出発点は戦前のスペインにおけるアナーキズム運動の力、彼らのお気に入りの英雄たちの怒りとその熱意を想像するのが難しいことの自覚だった。“我ら(ノソトゥロス)”と呼ばれたグループの、一心同体の3人――ドゥルティ、アスカソ、ガルシア・オリヴェル…。

 この時代と我々の間にあり得るべきあらゆる距離――彼らと我々、彼らの活動と我々、そのすべてが描きこまれ、演じられ、問われること、そのすべてが心動かすものであること。それは理解することを意味する――つまり感覚と感性を分かち合うことを。そこでチッチョ・フェルロシオが歌うと同時に体現するロマンツェロが入って来る。私たちはその歌の数々を通して、この“民衆の子どもたち”と同じ響きのなかに入り込もうとした。その怒りと、その心のかたわらで彼らを愛すること…。

 

- ジャン=ルイ・コモリ

映画批評家、映画監督。仏『カイエ・デュ・シネマ』に1962年から参加、1966年から1971年までは編集長。1968年にドキュメンタリー『Les deux Marseillaises』で監督デビュー、1976年には『La Cecilia』で劇映画にも進出。特に1980年代以降、精力的にドキュメンタリーを発表、主な作品は『Toto, Une anthologie』(1979)、『La France a la carte』(1986)、『Marseille de pere en fils』(1989)、『病院の誕生』(1991)、『Musique de films: Georges Delrue』(1994)など。また教育者としてフランス国立映像音響芸術学院(FEMIS)監督学部の副学部長を務め、パリ第8大学やバルセロナでも教壇に立つ。1999年には本映画祭で審査員を務めた。


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