彼女の墓に花をそえるのは私
I Am the One Who Brings Flowers to Her GraveAna alati tahmol azouhour ila qabriha
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シリア/2006/アラビア語/モノクロ/ビデオ/110分
監督、撮影、編集、製作:ハーラ・アルアブドッラー、アンマール・アルベイク
脚本、ナレーター:ハーラ・アルアブドッラー
録音:ジャン=マルコ・シック、ラデリエル・ソノーレ
音楽:マルセル・ハリーファ 製作会社:ラマド・フィルム、レ・フィルム・ディシ
提供:ハーラ・アルアブドッラー、ラマド・フィルム
1981年に故郷シリアを後にしてから一度も帰郷が果たせぬハーラは、カメラを持つ若い友人アンマールと共にフランスで映画を撮り始める。25年間国外追放されている画家の夫の創作風景、祖国を離れたまま初老を迎えようとする女性の友人たちとの親密なインタビュー。客観的な視点を拒むかのように、極端なアップと手持ちを多用したカメラは自由に時空を滑空し、詩文と生活の中の詩心を発見しながら、故郷への愛を詠い、容赦ない時間の流れを哀悼する。
【監督のことば】
1991年に亡くなったシリアの女性詩人ダアド・ハッダードの詩から――
わたしは探究に出かける。探るのだ。
小さなカメラをもって、《女友だち》を撮影する
わたしの小さなカメラを使って、《旅路》を撮影する
わたしの小さなカメラを使って、わたしを触発した《かの人たち》を撮影する
《女友だち》が向き合ってくれる
《旅路》が歩みの方向を決めてくれる
《かの人たち》が思考を導いてくれる
《女友だち》
わたしたちは女性4人
まだ50歳とまでいかないが、そう遠くはない
人生をまっとうするということは、夢を叶えることではないと、
わたしたちは、そしておのおのが語る。
《わたしの旅路》
旅路が、歩みの方向を決めてくれる
足が旅路に向かわせてくれる
わたしの映画の造作をスケッチする旅路
わたしの宙吊りの映画が舞台とする土地で終わる旅路
わたしの人生の旅路。
《かの人たち》
まだ作られずにいる映画に向けて、思考が導かれる
旅立たねばならない場へ、人は導いてくれる
会わねばならない人の元へ、導いてくれる
生みだすべき場を照らす光の中へと、導いてくれる。
ハーラ・アルアブドッラー 1956年、シリアのハマ生まれ。科学と社会学をシリアとパリで学ぶ。1985年よりシリア、レバノン、フランス間で共同製作・脚本・監督で長編やドキュメンタリー等の映画製作に従事。今作は63回べネチア国際映画祭Doc/It賞、2006年ドバイ国際映画祭のムフル賞のドキュメンタリーセクションでは銅賞を受賞した。 アンマール・アルベイク 1972年、シリアのダマスカス生まれ。これまで短編を中心に作品を発表。作品歴に『Light Harvest』(1997)、『They Were Here』(2000)、『When I Color My Fish』(2002)、『Clapper』(2003)など。数々の国際映画祭で上映され、『They Were Here』はアラブ・スクリーン・インディペンデント映画祭とイスマイリア国際映画祭で審査員賞、『When I Color My Fish』でブリスベーン国際映画祭で審査員賞等、受賞歴多数。 |