Part 1 インドネシア
紛争多き広大な国で イン・ドックス
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In-Docs
Yayasan Masyarakat Mandiri Film Indonesia
Jl. Sutan Syahrir 1C/Blok 3-4
Jakarta 10350 INDONESIA
Phone: 62-21-3192-5113 / 5115
Fax: 62-21-3192-5360
E-mail: indocs@cbn.net.id URL: www.in-docs.com
スハルト大統領が辞任し、32年間にわたる軍事独裁政権の崩壊後、ドキュメンタリーを政治的なプロパガンダとみなし疎んできたインドネシアの状況が一転している。1965-66年の「アカ狩り」虐殺を自国で初めてドキュメンタリーにした『Mass Grave: Indonesia』(レキシー・Jr・ランバデタ監督)や、スハルトを退陣に追い込んだ1998年の学生運動を描き、ドキュメンタリーとして異例の劇場公開をした『Student Movement in Indonesia "The Army Forced Them to Be Violent"』(ティノ・サロエンガロ監督)など、政治的にデリケートな題材の歴史的検証をする映像作品が作られ始めている。同時に、これら作り手を支援するイン・ドックスという組織の活動が目覚ましい。代表者と若手作家を招いて、話を聞き、作品のクリップを上映。
イン・ドックスの活動 |
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世界最大の群島国家で300もの多民族で構成されるインドネシア。この国でドキュメンタリーを広めようと、イン・ドックスが2002年に米国フォード財団の資金を得て発足した。製作支援・定期上映・海外交流支援に励み、ニュースレター・ウェブサイトによる情報流通も。公的助成は全くないが、草の根ベースの映画運動となっている。
- ■データベース
- イン・ドックスの活動の手始めは主要5都市で見つかるドキュメンタリーの数を調査し、データベースとビデオ・ライブラリーを作り始めること。現在までに257本の作品と160人の作家の情報が集められた。
■スクリーン・ドックス!- 作り手同士の交流を進めるため、毎月ジャカルタなどのギャラリーで上映イベントを企画。70人も集まるという上映会ではドキュメンタリーの上映後、監督などが話をし、方法論などについて議論を深めていく。
2003年は全国7都市で20本のインドネシア・ドキュメンタリーの巡回上映を実施。スラバヤとバリの上映がいちばん熱気ある盛り上がりを見せたという。
■ジュニア・キャンプ- 地方の高校生向け、2週間のドキュメンタリー制作ワークショップ。生徒たちは映画制作を通して社会問題との向き合い方を学ぶ。イン・ドックスでは今までに北ジャカルタのケラパ島と西ジャワのバンドゥンで2回実施している。作品はジュニア・キャンプ・トラベリングという映像リテラシー・プログラムで他高校を巡回上映している。
■ディベロプメント・ラボ- プロと一緒に作品づくりを。応募されたドキュメンタリーの企画書35本から5本を選出。完成するまでの半年間の「ディベロプメント」を、撮影と並行しながら、外国から来た講師の指導をあおぐ。各講師はジャカルタに滞在する2週間程度の短い期間に集中的に各制作チームと話し合い、後は電子メールでやりとりしながら完成に導く。
■海外研修- 優秀な映像作家を毎年ひとり、海外のドキュメンタリー映画祭に派遣する。今年はYIDFFにトニ−・トリマルサントが選ばれ参加。世界のドキュメンタリーを見る機会を得る。
■その他の活動- テレビ局にインドネシアのドキュメンタリーを持ち込み、放送を働きかける営業活動もしている。
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