インターナショナル・コンペティション
本映画祭では「インターナショナル・コンペティション」作品を選考していく際、複数の選考委員がミーティングを重ねながら絞り込んでいくという方法をとっている。選考には実行委員会から委嘱された選考委員があたるが、今回は山形事務局、東京事務局のメンバー5名に、映画評論家2名、実行委員2名、公募で選ばれた市民2名の計11名で選考を行った。
作品の応募期間は昨年の9月1日より今年の3月31日まで、選考がスタートしたのは昨年12月頃からだが、応募数902本のほぼ半分は締め切り近くに集中するので3月下旬から4月、5月にかけては、作品をひたすら見続ける毎日となる。作品にはそれぞれ個性があり、選考という作業はその個性を委員各自がどう捉えるのかという問題になる。
ミーティングの際に評価で対立する作品も数多くあるが、満場一致で上映作品が決まっていくというよりは、そういった背反する評価の中で議論が深まった作品に選考委員を捉えて離さない作品が多かったのも事実である。今回上映される15本は選考委員が自信を持って選んだ作品でありテーマもスタイルも様々だが、これは意図したというよりは今のドキュメンタリーの現状がそれだけ多様化していることの表われではないかと思える。これらの作品は、映画祭期間中に上映され審査員によってロバート&フランシス・フラハティ賞ほか各賞が授与される。
斎藤久雄