ホームシック
Homesick-
香港/2003/広東語/カラー/ビデオ/24分
監督、脚本、撮影、編集、録音、ナレーター、製作、提供:林智恒(ラム・チーハン)
Lam Chi-hang
101, BLK E, Lok Nga Court, Ngau Tau Kok, Kowloon HONG KONG
Phone: 852-9502-0882
E-mail: 01508011d@polyu.edu.hk
2003年3月の香港。謎の新型肺炎SARSのニュースが全世界を驚かせた。絶え間ない報道、大学の休講、隔離される人々……。ショッピングセンターから人通りが消え、見慣れた屋台は撤去されていた。医者に見捨てられた患者のように、閉鎖された団地は人知れず廃墟となっていく。イラク戦争、レスリー・チャンの死、アカデミー賞など、2003年春という一瞬を映すラブレター。20歳の監督が、“我が家”香港への哀愁をナイーブな眼差しで訴える。
【監督のことば】『ホームシック』には故郷が恋しいという意味と同時に、故郷(home)が病んでいる(sick)という意味がある。
2003年3月、香港でSARS禍が発生。私の家がある牛頭角では多くの感染者が出た。
近所の人たちがSARSの感染と恐怖に怯える中、私は大学に寝泊まりして勉強を続けていた。テレビニュースだけが家と私をつないでくれた。けれども結局ホームシックになり、家に帰ってしまった。
牛頭角周辺を歩いてみて、問題はSARSそのものだけではないということが見えてきた。私営集合住宅の淘大花園はゴーストタウンと化し、牛頭角下邨団地はまるでいまわの際の老人のようだった。谷の上の水門も忘れられてしまっている。この場所と私、小さい頃と現在、そして両親と私の、こわれた絆を再発見した。
SARS禍の発生から得た教訓。それは、大事な場所や人は、いなくなる前に愛しむべきだということ。
林智恒(ラム・チーハン) 1982年、香港生まれ。現在、香港理工大学デザイン学部在学。趣味は漫画を描くこと、旅行、ボート漕ぎ。『ホームシック』は、デジタル・ビデオ上級クラスで製作した作品。 |
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