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ニュー・ドックス・ジャパン



 世界のドキュメンタリー熱が高まり、日本映画ブームも衰えを知らない昨今、日本のドキュメンタリーが海外に紹介される機会が年々増えている。このプログラムでは、海外の国際映画祭で話題の日本作品など、実力派作家による日本のドキュメンタリーが勢ぞろいする。

 ここには、ドキュメンタリー製作のさまざまなきっかけが展望できる。テレビ番組として企画が立ち上がりながら、テレビの枠を超える大作に結実した『延安の娘』。国鉄闘争と伴走してきた15年間の労働運動の記録を総集編にまとめあげた長編『人らしく生きよう ― 国労冬物語』。実験映画界のベテランによる、ユーモラスな個人映画『FIVE DAYS』に、親世代の時代検証を試みる若手作家の『次、どこ、行く?』。

 さらに今年「アジア千波万波」の審査員を務める河瀬直美監督の『追臆のダンス』も上映する。末期ガンの友人に製作を頼まれた個人的な命の記録である。

 さまざまな出発点をもつ映像作品が日本にはある。この多様性の豊かさを祝福しよう。