エディット
Edit-
韓国、アメリカ/2003/韓国語、英語/カラー/ビデオ/100分
監督、脚本、撮影、編集、録音、ナレーター、製作:イ・チャンジェ
音楽:レネ・オーブリー
提供:イ・チャンジェ
Lee Chang-jae
1111 N. Dearborn #2109 Chicago, Illinois, 60610 USA
Phone: 1-312-933-1848
E-mail: dada717@hanmail.net
不眠症になった元テレビ・ディレクターの監督。良心を悩ませているのは、かつて作った番組。1980年代の学生運動を経て、鉄道や工場労働の現場に入った学生活動家たちの現在を取材したが、テレビ局の上司に再編集を命じられ、納得行かない形の放送を余儀なくされたのだった。労働運動に身を投じた者への負い目が忘れられずにいる自分自身の個人史をも見つめながら、労働運動家たちの人間性と信念を描き出す映像を再編集する。学生運動世代の懺悔と向き合う。
【監督のことば】編集とは、事実を故意にゆがめることである。人は欲望に応じて自らの記憶を編集しつづける。故に、ある人物の現在とは、編集された記憶の集合体なのだ。
この映画は、大卒労働者たちと監督の生活とイデオロギーを見せながら互いを対比させる。シークエンスごとの異なる映像スタイルが、異なる視点間の不協和音を提示する。
自らの意志で労働者階級に参加し、結果として基本的人権をも剥奪されることになった第三世界のインテリたちをドキュメントし、彼らの厳しくもいきいきとした人生が、報道の直接的なスタイルで描き出される。正義とは、知識人の義務とは何か? 彼らの人生を通じて本作は問う。
この映画は、また、個人にとっての真実を求める、私的ドキュメンタリーでもある。反射された映像や投影された映像、そして、影といった、まやかしの映像を用いることによって、作り手の客観性が達成されている。まやかしの映像を使うことで、監督が自らをかえりみ、「この人生は影のように偽物なのだ……」とつぶやく。
映像、時間、そして自史のヒダを自在に移動しながら、編集とは何か、ドキュメンタリー、個人の記憶の真実とは何か、とこの映画は問いかける。
イ・チャンジェ 大学で法律を学んだ後、サムソン・エンターテインメント・グループへ。1995年からディスカバリー・チャンネルとBBCの関連会社であるドキュメンタリー放送局、Qチャンネルでドキュメンタリーのディレクターを務める。韓国のドキュメンタリーで一般的に用いられている再現手法ではなく、シネマ・ヴェリテに根ざしたビデオ・ジャーナリズムをテレビ・ドキュメンタリーに導入。その後、ニュース・マガジン『アジア・レポート』をスタートさせ、視聴者から多大な反響を得る。『アジア・レポート』のチーフ・プロデューサーに就任し、1999年5月、『Free Zone of Prisoners--Sablayan Prisons in the Philippines』で韓国放送委員会より最優秀ドキュメンタリー番組賞を授与される。中央日報教育センターにてビデオ・ジャーナリスト向けプロフェッショナル・コースの学部長を2年間、また、2001年まで現役放送人向け韓国放送振興連盟の講師をつとめた。2001年よりシカゴ芸術学院の美術学修士課程にて映画を学ぶ。現在、インディペンデント・フィルムを探索中。 |
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