雑菜記
Hard Good Life-
台湾/2003/台湾語、北京語/カラー/ビデオ/43分
監督、脚本、撮影、編集、録音、製作:許慧如(シュウ・ホイルー)
製作会社、提供:四方影像工作室
Cine Boxer Studio
3F, No. 39, Kwang-Fu Road, San-Ming DistrictKaohsiung City TAIWAN
Phone: 886-92-1027740
E-mail: cine_boxer@yahoo.com.tw
ひとりでラーメンを作り、テレビを見ながら鍋から食べる初老の男。警備員の仕事場では居眠り。妻に先立たれひとり暮らしの父親の日常を娘が撮る。ゴミ、鍵、子犬、蝿、ヤモリなど日常の些細なものに眼差しを向けていると、夏草の強い匂いや夜の雷鳴の響きが感じられるような気がしてくる。すると急にお父さんはこっちを向いて手をふった。言葉少ない交流に父娘の絆が映る。
【監督のことば】『雑菜記』は私自身と父との間の、対話のない対話関係を記録したものである。全体を通じてほとんどセリフはなく、交流が少ないようにみえる2人のそれぞれの生活が、編集によってひとつに繋げられ、もともと疎遠な関係のなかに、互いの寛容とハーモニーのようなものが形作られ、孤独でありながら互いに依存している2人の生活状況が浮かび上がる。
本作は一種の生活風景を描写しようとしたもので、単調で重複していながら欠かすことのできない日常の要素を通じて、生命の温度とエネルギーを積み重ね、余分な雑物を取り除いた後に、人と人との間、そして人と生存環境の間にある、純粋な関係を見ようとするものである。
真実の人生において、1日また1日と演じている沈鬱で孤独な生活は、あまり大した意味はないようにみえるけれど、それが人生のすべてである。もうそれが肉か野菜か、あるいは麺か、食べてもわからない雑菜は、美味とはいえなくても、必ずお腹いっぱいにはしてくれる。
生きるとは、こういうことではないだろうか。
許慧如(シュウ・ホイルー) 台湾出身。現在、大学院に在学中。多くの記録映画と劇映画の製作に携わる。本作は個人で撮影し、監督した2作目。 |
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