ニュー(改良版)デリー
NEW (IMPROVED) DELHI--Director's Cut-
インド/2003/英語/カラー/ビデオ/6分
監督、脚本、編集、録音、製作:ヴァーニ・スブラマニアン
撮影:デスモンド・ロバーツ
音楽:シーラー・チャンドラ
提供:ヴァーニ・スブラマニアン
Vani Subramanian
359 SFS Flats, Hauz Khas, New Delhi 110016 INDIA
Phone: 91-11-2685-4504, 91-11-2660-1664
Fax: 91-11-2660-1664
E-mail: vanisuro@vsnl.net
インドの首都ニューデリーを“改良”するためには、貧民街の取り壊しが必須?! 9年間住んだ家を突然取り壊された女性の手紙が明滅するパソコン画面上に表れ、アカペラの歌声に乗せて人工着色された映像がオーバーラップしていく。都市開発政策の横暴を皮肉った短編作品。
【監督のことば】1982年、アジア競技大会がニューデリーで開催された。各選手団が現地入りする前に、植民地的壮麗さを備えたル・コルビュジェのヴィジョンが、町を近代化の権化へと変身させた。そしてこの町はすぐに、その新しい外見を気に入ってしまった。だが、変身を実現させた働き手たちはアッという間に忘れ去られ、行き場のないホームレス人口に加わる運命をたどった。
世紀が変わる頃、ニューデリーの野心はグローバル化へと向かう。超高速道路、RV車、多国籍企業、郊外発展症候群といったものに囲まれたこの大都会は、貧乏人とスラムが、その輝かしい自己イメージに落とす醜い影、恥や恐怖感を許容できなくなった。
その結果、ニューデリーはここ何年もの間、多くの取り壊しの証人になってきた。特に2000年から2001年にかけては最悪だった。約10万人が住んでいた15,000以上のバラックが取り壊された。何千もの人が市内から立ち退かされ、数え切れないほどの人々が生計の道を断たれた。ほとんどの世帯は移転先を与えられず、移転先があてがわれた人たちも、上下水道設備や、まともな道路さえない場所で暮らしを続けている。それもすべて、市当局や他の政府関係機関が、ニューデリー市全域のたった1.5パーセントを“取り戻す”ために行ったのだった。
インドの首都へようこそ。
新装(改良)新発売。
実話に基づくこの作品には、当時の都市問題担当大臣への直訴状が潜んでいる。ジャグモーハン氏が“デモリション・マン”というあだ名を頂戴したのには、それ相応の理由があったのだ!
ヴァーニ・スブラマニアン 広告コピーライターを経て、テレビ・コマーシャルの台本及び共同監督で初めて映像メディアの仕事に携わる。1990年代半ばからドキュメンタリー映画作家としても活躍。作品のいくつかは国内外で認められ、各地の映画祭で上映される。作品には、1997年カトマンズで開催された南アジア映画祭で優秀ドキュメンタリー映画第2位となった『Meals Ready』(1996)、『Padhoge Likhoge Hoge Nawab? (Is School the Thing That Makes a King?)』(1998)、『Class of 2001』(2001)、『Holy Duels of Hola Mohalla』(2001)がある。本作は最新作で、自主制作された。この作品には、1984年からニューデリー市民である彼女の現在の問題意識が映し出されている。 |
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