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アジア千波万波 [タイ]

ショート・ジャーニー

A Short Journey
Keng Dern Tang

- タイ/2003/タイ語/カラー/ビデオ/5分

監督、撮影、編集:タノン・サッタルーチャウォン
製作会社、提供:フィルムノメノン
Filmnomenon
35-52 33rd Street, Apt. 3 Astoria, New York 11106 USA
Phone: 1-347-204-3446
E-mail: filmnomenon@ownmail.net

往来の多いチェンマイの車道の脇で、7歳のケンが座り込んでいる。家族と路上で生活しているが、学校に行きたい。まずはアルコール中毒の父親を説得しなくてはならないが……。最小限の映像で、脚色なしの厳しい現実を映した短編。



【監督のことば】私はどのドキュメンタリー映画も旅(ジャーニー)だと信じている。馴染みのあるなしに関わらず、ある主題や環境に飛び込んだり、とりこまれようとして旅に出る。当然、映画はその遭遇の結果である。

 『ショート・ジャーニー』は未完成の作品として受け取られるかもしれないが、それはケンの生涯の一片に過ぎないからだ。成長していく彼の生涯を記録していくことが私の意図したところで、アルコール依存症の家族と路上で生活をする7歳の男の子の人生の第一章に過ぎない。

 映画製作を振り返ってみると、ストーリーを語らざるをえない私たち映画製作者のニーズが、技術によっていかに円滑になったかということに私は魅了された。私が、見過ごされた人々とみなす、普通の人々のストーリーにいつも興味を持っていた。ケンの短い旅(ショート・ジャーニー)はそのひとつである。多くの子どもたちが路上で生活している一方、ポットのようなボランティアもいて、彼らは世界中のいたるところで、毎日このような子どもたちを手助けしている。よりドラマチックなストーリーもあるし、そうでないものもある。しかしどの話も同じようにおもしろい。

 これまで見過ごされてきたストーリーが技術の進歩によって再発見されることを、私は心から望んでいる。


- タノン・サッタルーチャウォン

タイ生まれ、ニューヨーク大学ティッシュ・スクール・オブ・アーツの修士課程に在籍。タイ国王が支援するアナンタマヒドン財団から最も名誉ある学術奨学金を映画製作を勉強するために初めて授与。ニューヨーク大学入学前の、『This's Connected?』と『Alternate Route』は、タイのナショナル・フィルム・アワード2000において最優秀短編賞と最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。また、ワールド・スタジオ・ファウンデーションから2年間の奨学金、フジフィルム2003から卒業制作映画賞を受ける。これまでの作品は、『Enlightenment』、『A Temporary Nirvana』。リアルな人生や路上の物語に興味をもつ。現実からインスピレーションを得て細部をとらえようと、ノンフィクションとフィクションを融合させた映画製作を行う。


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