モーターラマ
Mohtarama-
アフガニスタン/2012/ダリ語/モノクロ/Blu-ray/60分
監督:マレク・シャフィイ、ディアナ・サケブ
脚本、撮影、製作:マレク・シャフィイ
編集:エスマエル・アディヴィ
録音:ディアナ・サケブ
提供:バサ・フィルム
2010年ヘラート、ブルカについて一家言もつ、ブルカを売る店の奥さん。2009年カブール、女性の権利を取り戻そうとデモを起こし、唾をかけられる女たち。2011年マザリシャリフ、12歳で結婚した24歳の女性は、愛のために悲劇の死を遂げた女性詩人に自分を重ねる。活動家でもある監督たちは、出会った女性一人ひとりと対話し、悩み、模索する。女性であることが「犯罪」でなくなる日のために。モーターラマは、女性の呼称として使われる口語表現。
【監督のことば】ディアナと私は、アフガニスタン人が将来にもっと希望を抱いていた2009年に、この映画を作り始めた。私たちはオフィスを開き、映画をプロデュースし、月刊の映画雑誌を発行し、映画祭やワークショップを企画した。けれども、アフガニスタンの復興を手助けしたいという強い想いが、これらの活動によって満たされなかった私たちは、女性の権利に関わる運動を始めた。女性に関する多くの会合を企画し、女性たちが自ら外に出て、街を安心して歩けるよう、自分たちの権利のために立ち上がるように促した。
私たちは違う民族に属していることから生じる、多くの問題に直面し、投獄されかけたことも数回あった。私はディアナがストレスを感じているのに気付いた。自分のためではなく、彼女が会った同年代の女性たちのためだ。彼女たちは居場所を確保しようと苦闘し、努力すればするほど、不快な目に遭っていたのだ。
アフガニスタンでは、高等教育を受けた女性の方が、家族や地域の双方でより多くの困難にぶつかる。人々は彼女らを尊重せず、本人の思いと相容れない生き方を求める。本作ではディアナの懸念に焦点を当て、彼女と同年代で同じ教育レベルにある他の女性たちが抱える問題を描き、アフガニスタンに“女性運動”は存在するのかどうかを探った。
アフガニスタンの女性たちは伝統、文化、宗教色が強い社会に立ち向かい、よりよい人生のため懸命に闘っている。私はまだ希望をもっている。これは私たちの最後の共同作業ではない。これからも私たちの活動は続いていくだろう。
マレク・シャフィイ
マレク・シャフィイはこの12年間、ドキュメンタリーを作り続けてきた。テヘランのバーグ・フェルダウス・イスラム映画製作センターを卒業し、オランダの映画製作コースでも学ぶ。20年間母国を離れていた後、アフガニスタンに戻り、2006年にアフガニスタン・シネマクラブ(BASA)を結成。オータム人権映画祭の創立者、ディレクターでもある。第2回および第3回のカブール国際ドキュメンタリー・短編映画フェスティバル、およびジェンダーと映画に焦点を当てた映画祭、セカンドテイクも企画運営した。
ディアナ・サケブ
ドキュメンタリー映画作家であり、女性の権利活動家でもあるディアナ・サケブは、24年間を移民として生きてきた。ここ3年はカブールに在住。テヘラン・アート・アカデミーで映画を学び、BASAのメンバーに。初ドキュメンタリー作品『25 Percent』では、アフガニスタン議会の女性議員6人を追い、彼女たちが日々直面する問題を描いた。第2作『Run Roobina Run』は、オリンピックに初めて参加したアフガニスタンの女性アスリート、ロビナ・ムキマイヤールについてのドキュメンタリー。