ともにある Cinema with Us 2013
助成:企業メセナ協議会GBFund
震災後の日常/非日常を生きる
2011年3月11日、東日本大震災。同年10月の映画祭で急遽組まれた本特集は、映画、あるいは映画以前の眼差しをも投じて、震災直後のさまざまな混乱や人間の姿を拾い上げようとした。それから2年、いくつかの上映会を経て、ふたたび「ともにある」という名で特集を組む。
変わったこと、変わらなかったこと、そして、いまだそのいずれなのかわからないことが混在する「震災後」を私たちは生きている。その日常/非日常に肉薄しながら作られた映画たちは、異なる位相に放り出された「震災後を生きる私たち」をつなぐ窓になってくれるだろう。
しかし、今回の特集で取り上げたのは、私が見ることができた作品の1割にも満たない。この2年半に作られた「窓」は数多く、 形もそれぞれである。いかなる事実や主張が正しいのかも正直わからない。ただ、ありきたりの正しさに収まらず、誰かが納得できないものこそ、誰かの現実をとらえているように思う。