インターナショナル・ コンペティション |
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RiP! リミックス宣言
RiP! A Remix Manifesto-
カナダ/2008/英語/カラー/ビデオ/86分
監督、脚本:ブレット・ゲイラー
撮影、監督補:マーク・エラム
編集:トニー・アシマコプロス、ブレット・ゲイラー
音楽:オリヴィエ・アラリ
製作総指揮:ダニエル・クロス、ミラ・アウン=トウィン、 ラヴィダ・ダン(NFB)、サリー・ボックナー(NFB)
製作:ミラ・アウン=トウィン、カット・バウル(NFB)、 ジェルメーヌ・イン・ジー・ウォン(NFB)
製作会社:アイスティールフィルム、カナダ国立映画庁
提供:カナダ国立映画庁 www.onf-nfb.gc.ca
films.nfb.ca/rip-a-remix-manifesto/
既成曲をサンプリング、アレンジすることでオリジナル・ナンバーを生み出すアーティスト「ガール・トーク」の活動からはじめて、知的財産権に対する激烈な問いかけが紡がれていく。著作権や知的財産権が映像、音楽、果ては癌治療にまで及ぶ事実を明らかにしながら、文化批評家からブラジルの文化大臣にまで取材を展開し、人類の遺産に縛りをかける団体の存在を明らかにするとともに、オリジナリティとは何かを考察する。
【監督のことば】『RiP! リミックス宣言』が始まったのは、私がデジタル革命についての映画制作に着手した6年前のことだ。当時は、この映画のおかげで世界中を回り、ヒーローたちに会い、映画制作のプロセスそのものを考え直すことになるとは思ってもいなかった。
2002年に初めてローレンス・レッシグの講演を聞いた時、私は自分がどのタイプのアクティヴィストなのかを知ることとなった。フリー・カルチャー推進アクティヴィストなのだ。レッシグの著書から、著作権の議論が、単に“ガキが音楽を盗む”ということではなく、文化に参加できるのは誰かという、本質的な議論であると知った。初めてガール・トークの舞台を見た時は、これこそが、デジタル革命が可能にした、アーティストとファンの間のバリアの破壊を代表するアーティストであると確信した。ファンたちがフロアを離れ、彼と共にステージに上がるのを見て、時代遅れの考え方を存続させるために、ある年齢層の全体が犯罪者に仕立てあげられているのだと悟った。私は、このエネルギーを 「オープン・ソース・シネマ」で活用できると考えた。制作途中の映画を観衆が混ぜこぜにリミックスし、作品制作に貢献することができる、それが「オープン・ソース・シネマ」だ。ブラジルでは、知的財産とパブリック・ドメインのバランスを保つことが可能だと示してくれる社会と遭遇し、私たちのものの見方が変わった。
11月に発表されて以来、この映画は世界中の映画祭で上映され、十数カ国でテレビ放映され、何千回もダウンロードされることで、数え切れないほどの人々を著作権の再考に向かわせている。影響を受けることにオープンであること、進んで観衆と共同作業を行おうとすることなくして、こうしたことは起こりえなかったろう。その過程で私たちは多くのことを学んだ。そしてもちろん、すごく楽しかった!
ブレット・ゲイラー 1971年カナダ生まれのドキュメンタリー映画作家、ニューメディアのディレクター。ビデオリミックスのコミュニティopensourcecinema.orgを創設し、同組織の支援を受けて長編ドキュメンタリー『RiP! リミックス宣言』を制作。デジタルデバイドの溝を埋め、すべての人がオンライン文化に参加できることを目指したウェブ・プロジェクト、ホームレス・ネーションのウェブ・プロデューサーでもある。カナダにおけるビデオブログの先駆的存在であり、10年以上にわたって若者やメディアとともに仕事をしている。ガルフアイランズ映画テレビ学校の創設者兼インストラクター。 |