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■　　Ａ　　 ■息づかい ■プロジェクト19 ■アスファルト ■最後のドキュメンタリー ■ママゾニア ■50年の沈黙 ■沈んだ財宝 ■停められた河 ■リアウェイラ：ミクロネシア物語 ■カホオラウェ ■フェルナンド戻る！ ■血のない傷 ■ボスニア・ビデオ日記 ■　　谷　　 ■ジンギス・ブルース ■ステート・オブ・ドッグ ■見知らぬ人との会話 ■ドゥ・シャン ■電影 ■ベルリン・シネマ		谷 The Valley イギリス/1999/セルビア語、アルバニア語 /カラー/ビデオ（原版スーパー16mm）/70分 監督・製作：ダン・リード 撮影：ジェセック・ペトゥリキー 編集：ステファン・ロノウィッツ 音楽：ジョン・マーフィー、 デイビット・ヒューズ 録音：パット・ボーランド 製作会社・提供：メントーン・バラクロー・キャリー／ サスペクト・ディヴァイス 配給：チャンネル・フォー・インターナショナル(Channel Four International) Channel Four Television, 124 Horseferry Road, London SW1P2TX UK Phone:44-171-306-8440 / Fax:44-171-306-8362 E-mail: jkimberlin@channel4.co.uk 　 ダン・リード Dan Reed イギリスBBCのドキュメンタリー番組を主に製作、監督。初監督作『The Cape of Fear』（1994）はケープタウン・ギャングの行動を内側から写している。またイヴァナ・トランプのような大富豪をイギリス“社交界”にデビューさせるコンサルタントについての『Family Game』（1995）を製作。他に『Jacob and the Headhunter』（1994）『The Fame Game』（1995）『The Partner』（1995）『The Zone』（1996）『The Bubble』（1997）『The Unlikely Dads』（1998）がある。 開巻、美しい緑の平原の彼方にたなびく煙が牧歌的に捉えられる。それがセルビア人側の焼き討ちの所業と分かると、作品はコソヴォ民族紛争のただなかで撮られた、リアルタイムの戦争ドキュメンタリーとしての苛烈さを一気に増す。 撮影は昨年、アルバニア人のコソヴォ解放軍（KLA）が拠点を置くドレニカ谷で行われた。双方の村人たちに取材し、双方の歴史的な被害者意識、双方の不信と憎悪の苦悩を伝える。紛争は直接的には、1989年、ミロシェビチ大統領によるコソヴォ自治政権の無効とセルビア警察の投入に端を発する。それがひきおこした日常生活の緊張と恐怖は、アリス・ミードの小説『アデムの十字架』（Adem's Cross by Alice Mead, 1996／未訳）に詳しい。 1998年９月セルビア軍はKLAに全面攻撃を開始、カメラは新たに生まれた難民の苦難と、しばらく虚脱感に襲われるような、おぞましい戦争の狂気を目撃する。国家指導者の精神の荒廃の大きさと、NATOの空爆以前の戦争現場にカメラを携行した撮影クルーの勇気の大きさが露わになる。 [福島行雄] 　 beforenext COPYRIGHT:Yamagata International Documentary Film Festival Organizing Committee