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■映画作りとむらへの道
■三里塚・辺田部落
■小川プロ訪問記〈完全版〉
■ニッポン国古屋敷村
■1000年刻みの日時計
─ 牧野村物語
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映画作りとむらへの道
Filmmaking and the Way to the Village
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1973/モノクロ/16ミリ/54分/日本語、英語字幕
製作:小川プロダクション
スタッフ:福田克彦(監督、編集、録音)、
浅沼幸一(アドバイザー)、飯塚俊男(製作) 川上晧市(撮影)、中野千尋(編集助手)、原正(撮影助手)
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本作品は、故・福田克彦による小川プロについての未公開映画である。小川プロに関して想像をめぐらせる観客たちに実際の彼らの姿を伝える目的と、助監督福田克彦の練習作として製作されたと思われる。『三里塚・辺田部落』を完成しようとしていた1973年、山形へ向かって三里塚を後にする直前という、小川プロの歴史のなかでも中枢となる時期をとらえたスナップショットである(福田自身はその後小川プロを辞め、自らのドキュメンタリー作品を製作するために三里塚に残ることになるのだが)。ここに記録されているのは、小川プロの歴史のなかでも興味深い時代だ。デモという暴力的なスペクタクルから、運命に翻弄される村の日常への移行がほぼ完了していた時期である。映画界の大半の人々が“運動の映画”の性質をめぐって議論をたたかわせていた時代のなかで、この新しいアプローチをとったことによって、小川プロは傑出した存在となったのだ。小川プロが提示した映画の概念化とは、集団による意思決定と、対象との並外れて深い関係性を、熱く志すものであった。本作はこのプロセスの記録であり、ドキュメンタリー映画における作家性の問題、そして監督ひとりによる演出と、共同作業の間の入念な緊張関係について、魅力的な問いを投げかけてくれる。
[阿部マーク・ノーネス]
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